香川県も梅雨あけました!

ピーカン続きで夏バテ気味・・・梅雨明け前日、下記の内容でオンライン読書会を開催しました💻

日時:2021年7月18日(日)10:30ー12:00

場所:ZOOM

参加者:4名    男 2 女 2

お題:近藤史恵 🇫🇷「エデン」🚴‍♂️

開催日は、3週間にわたってフランスを一周する自転車レース「ツール・ド・フランス」の最終日でした。

1年前、「海の日」「スポーツの日」から着想して海外スポーツ・・・ということで、サクリファイス を課題にし、満を持してのシリーズ2作目、憧れのツール・ド・フランスに挑む日本人青年チカの物語。

チーム解散が濃厚ななか、「隣の隣の国」ということで親しくなったフィンランド人ベテランエースのためにアシストするチカ。日本の隣はロシア。ほとんどの国とご近所さんになれる。

今大会の注目株は、フランスのチームに属する「悪ガキ」の異名もつデビュー間も無いフランス人青年。幼なじみの移民青年とのコンビで、瞬く間に黄色いジャージ「マイヨ・ジョーヌ」を着る。

フランスのレース・フランスのチーム・生粋のフランス人が、最近は「外国人」がチャンピオンになっている流れを変えるかもしれない・・・熱狂に湧くフランス。華の都パリで表彰台に立つのは誰だ。

今回も初参加の方をお迎えしての会でした。過去に長野県にお住まいで、多くの山岳を自転車で登られた、自転車に造詣深い方で自転車レースにおける暗黙の了解なんかを色々と教えて貰えました。

奇しくも、強風のなかママチャリを漕ぐことで小説で描写される「風との戦い」を経験した人なんかもいました。

かくいう私も、読書会の1週間前、7月11日にさぬき市、東かがわ市の東讃(とうさん)エリアで開催された、ツール・ド・103(トーサン)に出走してきました。約103キロをミニベロで。小説で描写されるように、プロのロードレーサーは毎日180kmぐらいを3週間、休養日が2日あるも走り続ける。

毎年行われるスポーツイベントで1番お金が動くのがサッカーのワールドカップ。次いで2番目とされるのが、このツール・ド・フランス。沿道の観客からの観戦料が徴収できない手前、チームの維持はスポンサーの存在が不可欠。ドーピングや非紳士的な行いなど、観客(消費者)に嫌われれば、スポンサーが手を引いてしまう。スター選手以外で自転車乗りたちの楽園(プロ)で走り続けるのは非常にシビア。

チーム存続の危機、来期の事は先行不明のまま挑んだ今期のレースでチカはエース、ミッコを引く。

対する超新星ニコラは、貧しいなかを相棒である移民のドニ(お金持ち)のお下がりバイクで実績をあげてプロ入りした「悪ガキ」。

才能・富・名声・人種・・・様々な 持つ/持たない ものたちの思惑が交錯する1冊。

前作に引き続き チカの日本人らしい「謙虚さ」について、多くの参加者が声をそろえ、今作で登場する女性カメラマンの存在に対しても色々と考察がなされました。チカが「意外と歳くってんだな」の印象に対して「覚えておいて。僕は歳上が好きなんだ」と言ってのけるニコラ。ただしニコラは英語ダメなのでフランス語を聞いたチカが翻訳。

黄色や水玉、白色といった「特別なジャージ」や、様々な肌の色。小説のなかで描かれる色彩の多さ。この3週間を走ることになったレーサーそれぞれの「過去」。走り続ける限り背負わなければならない「呪い」。

自転車に馴染みない人には、選手の脚質(平坦や登り、その人の得意とする分野)や自転車の部位とか横文字がちょっとわかりにくいという意見もありましたが、読み終わったあとに、どっ、と自分も長い旅(ツール)を終えたかのような読後感を得れる1冊です。

五輪でも自転車ロードレースは男子が24日(土)234km、女子が25日(日)137kmで開催されます。

ツール・ド・フランスと違ってチームではなく、個人戦。ただし、個人競技といえども1人だけで勝てるようなスポーツではないので、ある程度の距離までは手を組んで先頭(風除け)を交代しながら進んでいく感じになるんでしょうか。

TV中継はなくネット中継のみみたいですが、我らが新城幸也が走る! 

最終日はもう順位変わる可能性ないから、ほぼ凱旋パレードとか小説で知ったトリビアで迎えた読書会、ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました!

【エンディング】忌野清志郎「自転車ショー歌」 映画版「茄子–アンダルシアの夏」のエンディング曲。私、オレンジとパープルのパオパオジャージ持ってる・・・。

【 おすすめ本 BOOK   2nd 買ってってね 】

 

●「サクリファイス」シリーズ。サクリファイス・エデン・スティグマータがチカが主人公。サヴァイヴはサクリファイスに出てきたキャラたちの過去を描く短編集。キアズマは同じ世界で、大学自転車部日本人青年が主人公。

●文庫版とハードカバー版で構成が異なり、こちらのハードカバー版を推します。自転車が縁で出会った2人の少年。高校での自転車部の創設や、大学時代の失恋で東京–新潟へのソロライドから、社会人になっても1年に1度大人数が集う伝統となった大規模イベント・・・「輪生」の物語。

 

●ランドナーで北への旅をはじめた元グラフィックデザイナーの職なしアル中男。高校を辞めたヒッチハイクの少年と、いたるところで再会しながら北を目指すーーだけなら青春旅行記小説だが、たまたま拾った冊子が、表に出せない自衛隊の機密文書(暗号なので何かわからない)だったことから放たれる刺客兵士たち、とハードボイルド冒険小説。多くの若者を感化させ、同じルートを自転車で駆け抜ける聖地巡礼が流行ったとか・・・?

もしかしたら、最初で最後かもしれない。僕の、ツール・ド・103がはじまるのだ。


ビアンキTシャツ


コンタクト入れないとかけれない、決戦用サングラス。サガンも愛用の100%。


トップゴールした選手がもらってるような花束🌻


we base さんには、サイクリスト応援プランも。エントランスにサイクルラックもあるよ。

★次回は 8/29(日) 10:30-

新田次郎💂‍♀️「八甲田死の彷徨」🏔をとりあげます。

実話を基にしたフィクション。来たるロシアとの戦いへの訓練として、旧陸軍で行われた雪中行軍。2つの部隊が冬の八甲田山に挑む。

防寒、案内人といった事前準備の少数精鋭部隊と、特に備えのない大部隊。冬の雪山は容赦なく屈強な兵士たちに牙を剥く・・・。

暑い夏に背筋を凍らせる、禁断の冒険小説!

エデン > 夏のグラン・ツール > 冬の雪中行軍 > 八甲田死の彷徨



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