中秋の名月…いよいよ読書の秋到来!

と思わせといて、まだまだ真夏日の続く9月。ラジオをつければアースウィンドファイアの「セプテンバー」が流れ、否応無しに9月だなぁと思う日々。こんがり日焼けしたせいか、松崎しげる色と言われる日々ーー「愛のメモリー」ならぬ2nd Memoryをシルバーウィークの中日、下記の内容で開催しました。2人に死が訪れて星になる日が来ても、って歌詞は神がかってる。

日時:2019年9月15日(日)14:00ー16:00

場所:燈屋

参加者:6名(男5・女1)

課題:角田光代「対岸の彼女」

今回も初参加の方が2名いらっしゃいました。

本当はもう1名いたんですけど、現れず。なーんか申し込んだはいいけど、気分乗らないんだよね、という日もあるでしょう。

別に怒ったりしないので、欠席の連絡いただけると助かります。道分からないのか、事故に巻き込まれてるのかとか心配になりますので…。

さて「対岸の彼女」。

角田光代の直木賞受賞作。大人しい専業主婦、小夜子が求職で出会った快活な女社長、葵。葵も高校時代は大人しく、快活な親友ナナコがいたーー小夜子目線の現代と、葵目線の過去を交互に描く「女の友情」の物語。フレンドリバー!

葵は中学時代のいじめから環境を変えるために、横浜から父の実家のある群馬へ家族ごと移住、再スタートさせた高校でもまた、人間関係にビクビクしながら過ごす。親友となったナナコにいじめの毒牙が向いても、何もできない自分に自己嫌悪しつつ、高二の夏休みの終わり、2人で…。

と、タイトルの対岸と、お彼岸をひっかけての選書でしたが、実は新学期と9月にも意味をもたせたり。奇しくも開催日が9月に学校に行きたくない子どもらにメッセージを遺した樹木希林の命日。作中でもディスコでアースウィンドファイアの曲が流れるよ。絶対セプテンバーだろ。

最初に気分乗らない日、と書きましたが私もしんどい日とかは有給休暇でこんこんと眠り続けたりするので、最近の中学、高校生の自殺のニュースなんか見聞きすると、別に休んだり、逃げたりするのは悪くないと思うのですが、それはやっぱり通過してきた大人の意見であって、現在進行形の若者たちには、なかなか届きづらいものなのかもと思ったり。

私は、実は快活な葵社長みたいな「うぃ〜っ、新事業のプラン練れてないけど、丼勘定でヨロシコ〜ッ」なポジティブの押し売り的な人はすごい苦手で(イメージ的には久本雅美、磯野貴理子、中島知子みたいなキャラクター。もちろんメディア向けに作ってる部分もあるでしょうが)、過去パートでいきなり大人しい女子高生でギャップに驚きました。

でも私も内向的なネガティブな性格なので、そういった自分と彼女たちを重ねて読みましたが、娘さんをもつ親御さんなんかは、自分の娘さんと重ねて読んだそうです。チョンガーの私には得られない視点ですねぇ(´⊙ω⊙`)

ママ友コミュニティに順応できなかった小夜子や、高校時代の葵のように、いわゆる「空気」を読んで消耗してしまうという経験は、意外と誰にでもあるのではないでしょうか?

空気を読む、とか同調圧力って最近の言葉ですよね。断ったら角がたつとか、義理果たすとか、協調性とか、仲間意識が仲間外れを産むとか、色々と世知辛い世の中です_:(´ཀ`」 ∠):

グループの1人が中座すると、いきなりはじまる悪口大会(高校生パートも、社会人パートも)も、男のグループでもあったりしますが、妙にリアリティがあり、参加者の中でも「角田さんが近い経験しているのでは?」といった意見が多かったです。

葵とナナコの関係は、共依存的? な部分もありましたが、どんな未来になったかは描かれず、ひょっとすると彼岸に渡っているような暗い未来もあれば、どこかで うぃ〜っ、アオちんキャラかぶってんなヲイ〜ッ シルバーウィーク記念にプラチナの指輪買ってあげるよ! という明るい未来もあるかもしれない。

連休明け、仕事や学校行きたくない人にこそおススメの一冊。心がどっか軽くなるような読書体験だったら、嬉しいなあ。

参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました!

いつか「鈴木先生」でも読書会やりたい。

燈屋さんのマスコット。すごく長く生きる種らしく、まだまだ大きくなるそうです。

ひかりに癒される。

作業用BGMで流していた、セプテンバー…ドゥーユーリメンバー 21デェナイト…セプテンバー?

そうそう、9月21日に岡山市であるビブリオバトルに出場します。

令和元年9月21日(土)10:30- 岡山市緑の図書室 百花プラザ2F会議室

その翌日、9月22-23日は丸亀町グリーンで「街の一箱古本市&のみの市」11:00-16:00。

私は2nd Memory の屋号で22日に、ごろね担当の黒木さんが「よなよな堂」の屋号で23日に出店。読書会について色々聞きたい人なんかは是非遊びにきてくださーい!

そしてその翌週、9/27(金)20:30- ライブハウスにてビブリオバトル!

会場・TOONICE

時間・8時入場開始、8時半バトル開始。

会費・2ドリンクオーダー

なーんか、読書の秋めいてきました。

そして来月は…

ハロウィン→魔法使い、ということで世界三大ファンタジーの一角に数えられる、古典的名作「ゲド戦記・影との戦い」を課題とします。

瀬戸内海のように、島々が浮かぶアースウィンドファイアじゃなくってアースシー世界。

魔法学院に入学した、才気あふれるハイタカ(ゲド)が禁じられた術で呼び出した「影」。

執拗に狙われながら、少年から青年、一人前の魔法使いとして成長してゆく姿を描く。

自らの内に潜むネガティブな感情や、暴力的な衝動をコントロールしてゆくのは少年漫画の王道的な設定でもありますよね。

…中二病のケがある人はすっごく楽しめると思います。秋の夜長にいかがでしょうか?


ユング心理学の「影」を語る際に引き合いに出される一冊です。繊細な高校生たちも、自らの内に潜む影と戦っている。

参加申込はこちら⇒「参加申し込みについて」

レポート作成:はじめ