暑さのピークも過ぎ、朝晩は涼しくなってきて、秋の気配すら感じられる8月中旬。

 

いいや、まだまだ夏は終わらない! と「冒険」をキーとして下記の内容で読書会を開催しました!

 

 

日時・2018年 8月19日(日) 14:00ー16:00

 

 

課題「宝島」

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会場・アルドール はただ 高松店

 

 

参加者・6名(男3・女3)

 

 

満席御礼! 今回も初参加、しかも他県からの方をお迎えしての会でした。

 

 

読書会の魅力はやはり、1人で本を読むと感想なんか自己完結してしまうのですが、人の感想や意見で自分と共通する点もあれば、まったく自分では考えつかないような解釈などが知れる点でしょう。私は甘党なのでケーキは食べるけど、とって食べたりはしないので、興味のある人は是非一度遊びにきてください(^^)

 

 

 

 

さて「宝島」。トレジャーアイランド。ド直球での翻訳。

 

 

 

 

少年ジムの手元に転がって来た、伝説の海賊が財宝を隠した島の地図。

 

 

 

 

「大人」である、郷士さんと尊敬する医師の先生によって集められた航海のための仲間たち。順風満帆で島に向かう中、実は船員のほとんどは宝を狙う海賊たち。脛に傷というか義足のコックとして乗り込んだ男、シルバーは海賊らをまとめ上げ財宝を狙う。

 

 

 

 

私は今回の読書会がきっかけに初めて読んだのですが、意外と他の参加者さんも初読という層が多かったです。古典や名著の割に「児童文学」ですからね、大人になると手が伸びにくくなるジャンルとも言えますが——内容は先月の「青の炎」も真っ青のナイフとピストル入り乱れる無人島のデスゲーム。

 

 

 

 

著者であるスティーブンソンは、かの二重人格の代名詞とも言える「ジキル博士とハイド氏」の作者でもあるので、登場人物たちもある時は同盟を組み、そしていきなりの決裂、今度は命を取り合う展開。単純な善悪といった問題ではなく、最終的に信じられるのは、己の知恵と腕っ節のみ。

 

 

 

大人の目線で読めば、義足のシルバーなんかは、ダーティな過去をにおわせつつ「頼れる兄貴」的な雰囲気…後世の海賊モノのひとつの原型とも呼べる存在…日本人が演じるなら、斎藤工や伊藤英明、あるいはディーン・フジオカがうっすらと埃舞うような夜の酒場でラム酒ラッパ飲みしてるのが安易に想像できるんですが。。。

 

 

 

 

しかし、これは児童文学。子どもが読むならば、自然と少年ジムへとシンクロしやすい仕組みになっているんでしょうね。

 

 

 

 

もっとも、ジムも少年ではありますが、具体的な年齢の描写なんかはありませんが、「だいたい中学生くらい?」が参加者の皆さんが抱いた共通認識。

 

 

 

 

双方の陣営を渡り歩く様から、賢く細かい所に気がつくから可愛がられるタイプではあるのだろうが、時に身勝手な行動をとる所はやっぱり子どもの域を脱していないという意見がありました。

 

 

 

人の生き死にはひとまず横に置いといて、「冒険」という点では、まず本を開くと飛び込んで来る「宝島」の地図。ファンタジー作品なんかでもよくある構図ですけど、私なんかは地図を見ると「これからこの世界を旅するねんな」と変にテンションあがったりするんですが——ここは男性陣と女性陣でけっこう意見の割れた所。男はやっぱり本能的に未開の地に、自分の旗を突き立てたいものなのでしょうか? この作品でも、様々な「見え見えなんだよ!」なフラグが立ったと思えば、ジョリー・ロジャー(海賊旗)が翻ったりします。

 

 

 

読書会の潮流も時には変わり、世界史のリアルな海賊の話や、ラム酒=サトウキビから讃岐の和三盆など、多岐にわたりました。

 

 

 

 

こういった読書体験が、私にとっての財産。ひとつなぎの財宝は、人繋ぎの財宝——ラブアンドピース、ワンピース!

 

 

 

 

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

 

 

 

 

5月「ピーター・パンとウェンディ」の時に海賊「フック船長」イメージで買ったユニクロと少年ジャンプコラボTシャツふたたび。900円にしては武勲一等!

宝箱に眠る、様々な国の貨幣のように、色んな版元の「宝島」が集いました。

宝箱かどうかは知らないけんど、トランクひっさげていった一箱古本市のスナップ。ナイスタウンの9月号218p。

 

 

 

 

★次回は9月23日(日)江國香織の「きらきらひかる」を取り上げます。

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9月にお見合いして結婚した、医師の夫とアル中気味の妻。

 

 

 

 

夫には恋人がいて、3人は特別にいがみ合うわけでもなく、ゆるやかに生活している。

 

 

 

 

あー、そういうのってあるよね。と思うかもしれないけれど、夫は同性愛者で、即ち夫の恋人は男。恋人も同じようなタイプかというと、恋人は男女とかじゃなく、人間として夫を愛している。

 

 

 

 

3人の幸せに忍び寄る「家族」という呪縛。夫婦、家族とは何かを問う江國恋愛小説の傑作!

 

 

 

 

昨年11月の第2回香川県高校生ビブリオバトル大会のチャンプ本に輝き、絶対にこれで読書会やろうと心に刻んだ作品。満を持して、アニバーサリーマンスである9月に開催。

 

 

 

 

大きめの個室押さえておりますので、興味あるけど枠少ないしなんか遠慮しちゃうなぁ、なんて人もお気軽に参加してくださると幸いです。

 

 

 

 

参加申込はこちら⇒「参加申し込みについて」

レポート作成:はじめ