梅雨真っ只中。毎日、最高気温や湿度更新と、蒸し蒸ししますね。

今年の夏に想いを馳せながら、下記の内容でオンライン読書会を開催しました💻

日時:2021年6月27日(日)10:30ー12:00

場所:ZOOM

参加者:4名    男 2 女 2

お題:ケン・リュウ ⭕️「円弧(アーク)」

 

香川県庁をはじめ、小豆島や男木島と県内ロケされた「Arc」が公開された6月25日の2日後に開催された、オンライン読書会でした。

参加いただいたのは、対面以来2年ぶりくらいとなるオンライン移行してからははじめてとなる、かつての常連さん、そして「業界最速読書会化!」のパワーワードの導きか、読書や本にまつわる広い意味での読書界隈の方をお迎えしての開催でした。

お一人は、過去に岡山のビブリオバトルに参加したときにT先生の計らいでお知り合いになったSF文学振興会 で活動されている方。活動拠点は関東ですが、出身が香川県という事もあり、映画を観てからの参加です。

なんと還暦となる「第60回SF大会」は、今年8月我らが高松市で開催予定とのこと。還暦、円環、あ、アーク。

 

もう一人は、「書を使い、街に出よう」のコンセプトで活動されている大阪工業大学 知的財産学部 水野ゼミ のSF好きの学生さん。リンクのノートに飛んでもらうとわかりますが、読書会をはじめ、ビブリオバトル、シェア型古書店出店 と学生主体で様々な活動に取り組まれております。個人的に「ラグビー」テーマのビブリオバトルがすごく気になります。ラガーマンが来ると思って、五郎丸トリビュートで赤と白のボーダーを着ていったのは、ここだけの話です。

 

私もSF好きですが、広く浅くのタイプなので、詳しい方に2人も参加いただき、心地よい緊張感で会はスタート。

 

近未来。肉体の細胞活性化手術により「不老不死」が可能となった世界。人類最初にその肉体を手にいれた女の一生を描く短編。恋に恋したようなティーンから、手に職をつけて自立した30代、そして不老不死となった高齢時代・・・。どうでもいいけど、小説でも操り人形のように…と描写された、プラクティネーションの施術シーンは、映画で観ると必殺仕事人というか、注入される樹脂が「うどん」というか…いまも八十八ヶ所を廻っているという、お大師さまのパワァを注入?

 

○話を真面目に作品に戻すと、「あなたなら、どうする?」を突きつけてくる一作。ワクチン早く当たらないかなぁ。となるような現代にぴったりの作品ではないでしょうか。

 

○実際にあって、任意で不死を途中で止めることができるなら、とりあえずやっとこうか? という意見が多かった感じです。一回選んだら後戻りできない…となるとちょっと怖いですね。

 

○ディストピア系の小説だと、不老不死がもたらされた事によって変容する「社会」が描かれるのに対して、最初の被験者である主人公「個人」の目線で描かれている…という指摘もあり、映画版だと社会と隔絶されたユートピア的な場所として小豆島ロケシーンへ。

 

○生涯を通じて主に4人の男性と交際した主人公。ティーンの頃の過ちで妊娠し、子どもを捨てたことが自分のなかで折り合いがつかず、不死になってから子どもを望む配偶者に対して、時間はたっぷりあるのだから欲しくなったときに作ればいい…そして! の流れに対しては、けっこう年代、性別ごとに意見が分かれて面白かったです。

不死になってしまえば、子孫を残す必要はなくなり関係性はペット的なもの?

願いを叶えてあげられなかった罪悪感から産んだ?

人間として成長するためには、それだけの時間が必要であり、達してしまえば不死は必要なくなる?

様々な意見交換がなされ、有意義な90分でした。

ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました!

 

 

【エンディング】yoasobi「三体」・・・ではなく「三原色」回線をアークだかアハモに乗り換え。2分あたりからのタラッハライクタリラ〜♪なスキャットいいね。途切れた物語、つなぐ、とか色々とビビっとくるフレーズも。

【 おすすめ本 BOOK   2nd 買ってってね 】

 

●参加者オススメ本。2001年▶︎2010年▶︎2061年▶︎3001年 これもまた、箱舟(アーク)?

●参加者オススメ本。まんま箱舟というか、7SEEDの元ネタ? ガンダムSEED映画続編出るって。いまさらwwwと思ったりもするが、過去の名作が現代でも通用するのは実証されていたりする。うーむ。

●Arcと同日映画公開された、こちらもSFの名作。不死とコールドスリープ。「時間」というネタの料理の仕方・・・映画のポスターもどことなく似ている雰囲気。

 

●読書啓蒙の、「本を紹介する漫画」どちらにもガチのSFファンのキャラクターがおり、古今東西の作品を推してくれます。

 

われらが県庁。

we base エントランスの壁。瀬戸内海の島々。失われたイスラエル十支族と聖櫃(アーク)が徳島に・・・?箱舟(アーク)で漕ぎ出そう!

「BIBLIO」さんのミニマム書店に「2ndMemory」出店させていただいております。覗いてみてくださいね。

★次回は 7/18(日) 10:30-

近藤史恵🇫🇷「エデン」🚴をとりあげます。

暑い陽ざし。アスファルトを蹴る銀輪。沿道に咲くひまわり🌻

自転車に乗るものなら誰もが憧れる、世界三大レースのひとつ「ツール・ド・フランス」に挑む青年、白石誓。愛称チカ。

今大会、唯一の日本人として、別チームとも時として協力しなければ生き残れないムラ社会ともされる欧州チームでレースに挑む。3週間に渡る過酷な旅は、果たして楽園へのロードなのだろうか。

この作品単品だけでもスポーツ小説として楽しめる自転車小説の傑作です。開催日はツール・ド・フランスの最終日でもあります。

円弧 > 不死を手に入れた人類 > 知恵の樹の実のみならず、生命の樹の実すら食べた人類 > 失楽園 > エデン

初日に起こった、看板をもった観客に接触して大量落車。いくらなんでも初日リタイアは出場するまでがんばってきた選手を想うと・・・。

 

総合1位の称号「マイヨ・ジョーヌ」のみが着用を許された黄色いジャージ。沿道の男の子に飲み終わったボトルを渡す感動のシーン。これもまた、ロードレース。 

 



参加申込はこちら⇒参加申込はこちら

レポート作成:はじめ