イギリス🇬🇧のことわざに、3月はライオン🦁のように訪れ、子羊🐑のように去っていくーー日本🇯🇵では、暑さ寒さも彼岸までーー
先人の教え正しく、桜🌸開花後の春の嵐☔️が訪れた春分の日、下記の内容で読書会を開催しました💻
日時:2021年3月21日(日)10:30ー12:00
場所:ZOOM
参加者:4名 男 1 女 3
課題:瀬川晶司 ☖☗「泣き虫しょったんの奇跡」
今回は、2年ぶりくらいの参加の方(with ちいさなおともだち)いれて、4人での開催でした。麻雀ができるな。
・・・っと、今回取り上げたのは「将棋」がテーマとなる作品。ルールはなんとなく、まったくルールしらないetc 様々な立場の人の感想を聞けるのも読書会の楽しみのひとつです。
さて、昨年の秋に、スポーツ紙の「Number」が将棋特集をしてからこっち、(余談でありますが、将棋は頭脳の格闘技、れっきとしたマインドスポーツです。)様々な雑誌もこれに続いて「将棋にまつわる文章」に関するムーブメントが起こっています。棋士の対局中の姿を応援する「観る将」の派生として「読む将」が市民権を得てきた感じですね。この流れに乗らないと・・・! という感じで「将棋文芸」における傑作「泣き虫しょったんの奇跡」を取り上げました。
ざっと、ここ最近の「読む将」関連本をあげましたが、すごい勢いですね。2ndMemoryでも、過去に「聖の青春」を取り上げたこともありますが、お題となる本を選書している私が将棋ファンなんだなぁ。。。職権乱用な気もしますが、私が面白いと思った本は面白いんだ。
本作は、年齢制限で26歳で奨励会を去った瀬川氏が、一度は憎んだ将棋と再び向き合い、大学進学、就職したなかで生まれた「縁」に導かれてプロ編入に挑むーー結果として合格するわけで、この本を手に取る人は事前情報として、それは知っている。運命の六番勝負はそれほど描写されず、メインとなるのは小学校時代の将棋の出会いから、地獄の3段リーグ、アマの野に下ってから再起と奇跡。
多くの出会いと別れ、読書会の中でも登場人物たちについて様々な意見が述べられました
●第一章「恩師」ーー苅間澤先生
・いま流行りの「自己肯定感」なんかをいち早く実践していた。
・先生自体も「夢」を叶えて教壇に立っていた。
・悲しんでいる人に寄り添うよりも、その人が喜んでいるときに、やきもちをやかずに一緒に喜んであげる友達になってほしい。せ、せんせい!
・住所の書かれていない、どらえもんの絵葉書。瀬川はワシが育てた・・・と表に出るでなく「私は過去の人」と謙遜する姿。せ、せんせい!
●第二章「ライバル」ーー健弥くん
・同い年、誕生日近い、近所、互いに高めあったライバル。たら、れば、はないけれど本人が語ったように、健弥くんも奨励会に入っていたら2人で競い合ってプロになっていたかもしれない。
・しかし、互いに「負けちまえよ」と心の中で思っているであろうこともあり、苅間澤先生の教えも幼いしょったんにはまだ響いてはいない。ラストの健弥くんの手紙もまた涙腺を刺激する。さらっと書かれているが、アマ名人とかアマ竜王って努力でどうこうなるレベルでもない。
●第三章「奨励会」ーー仲間たち
・高3卒業後に奨励会に入り、颯爽と3年でプロになった同門の兄弟子、小野さん。「努力の人」と評されるが、プロの棋士の世界は玉将=タマ=命を奪い合う世界・・・。自らを努力タイプで才能がないと思っていた小野さんが、瀬川さんいかけた「君には才能がある。羨ましいよ」。
・負けたときはひとりになりたくない。一人暮らしの瀬川さんのアパートに集い、子犬のように身を寄せ合う奨励会員たちの青春。殴り合い寸前の喧嘩までいっても、翌朝にはみんなで仲良く競馬場にくりだす(?!)えっ、将棋の勉強は・・・。
・もしもドラえもんがタイムマシンを持って現れても、部屋には鍵をかけない。
●第四章「再生」ーー再起、プロジェクトS始動!
・タニマチというか破格のレッスン料をくれていたHさん。やっぱHっていう姓の人はいい人多いんだな。
・好きなことを仕事にするのが一番だーー父の教え。
・かつて棋士の夢をみた仲間たちが集い、応援する姿。人間ある程度歳をとってくると、実力に達していないのに夢を語ると「いつまで夢見てるんだ」と辛辣な対応をされる。自分の夢を誰かに託してもいいじゃない。
・瀬川さんのプロ挑戦に対して「ある棋士」が非公式ながら「1日も早く行動に移すべきだ」という意見。将棋のことをよく知らなくても、「実はあの棋士、○○さんらしいよ」ざわっと鳥肌たった。
第五章からは、これまでの章ほどのヴォリームはなく、挑戦から合格後のエピソード。私のほうから補足するとすれば、現在瀬川さんはフリークラスからC級にあがり、お誕生日は3月23日なので、(だから3月21日この読書会開催だったりする)現在51歳です。26歳で夢破れ、35歳でカムバック・・・現在37歳の私にはビシビシくる読書体験でした。夢かぁ・・・コロナがはやくおさまって、読書会が通常通りに開催されたらいいなぁ・・・と思うと同時に、オンライン読書会も悪くないものだと思っている。リアル対局とネット将棋みたいな感じ?
春分の日に参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
【エンディング】 YOASOBI 「群青」
「好きなものと向き合う、すべての人に」
受験シーズンに、受験生たちの支持をあつめた一曲。棋士は「研究家・芸術家・勝負師」の気質をもつ。盤上というキャンバスに描く夢。そして、日本将棋会館は渋谷区にある。きっとよい道は拓かれます。
【 おすすめの将棋文芸、BOOK 2nd 買ってってね。 BOOK 1stに怒られるぞ 】
●奨励会を去り、瀬川先生によって切り拓かれた道でプロ入りした、今泉先生の自伝。
●天才vs鬼才の対局を見守る元奨励会3段の刑事。
●著者は元奨励会員。共感覚を持つ金髪碧眼のサラの瞳に映る盤上の風景。
●短編集。奨励会員たちを見守ってきた掃除のおばさんなどを通じて描かれる将棋界。
●史上初の「女性棋士」誕生なるや、という局面からはじまる物語。人生とは棋譜である。
●言わずと知れた名作。村山聖先生や、夢破れていった天才少年たちのルポ。
●コンビニ店員の元奨励会3段の再生(リボーン)の物語。同僚の観る将女子「棋士の方がアスリートよりかっこいいから!」
●多くの「読む将」人口を増やしたであろう名作。滑川7段大好き。
●将棋にハマった親子の日常。
ひふみんや羽生さん若っけー! 以前に残り1分になってから対局中に煙草を吸う真部先生の男の色気に投了しちまう。むかしの棋士は対局中におしゃべりしてたとかいうけど、煙草もOKだったんですね・・・感想戦「詰んでるから!」かなりフリーダム。
★次回は 4/25(日) 10:30-
宮下奈都🎹🐑「羊と鋼の森」をとりあげます。
山奥の高校生が出会った、ピアノ調律師。弟子入りを志願するも断られ、専門学校で技術を身につけたのち、件の調律師が勤める楽器店に就職。
晴れて「師弟」というか「同僚」となるが、近づけば近づくほど、深淵な「森」のなかにはまりこんでゆく・・・映画化もされた、2016年の本屋大賞に輝いた名作を、5年経ったいま、再び、あるいは初めて読んでみませんか。
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