お盆とともに訪れた大型台風。仕事が激増しバタンキューの日々…昔はえづきながら飲んでた経口補水液がおいしく感じる…おいしいと感じると、そうとう体にダメージあるみたいですが。そんな真夏日の日曜日、下記の内容で読書会を開催しました。
日時:2019年8月18日(日)14:00ー16:00
場所:Tully’sコーヒー 高松サンシャイン通り店
参加者:5名(男3・女2)
課題:ヴェルヌ「海底二万里」
夏は冒険! ということで「十五少年漂流記」などで知られる、海洋冒険小説の泰斗・ヴェルヌの古典的名作を選書しました。
海獣退治に参加した博士・従者・銛打ち の3人が飲み込まれた海獣の胃袋ーーそこは万能潜水艦ノーチラス号。着ているものから食べ物、煙草といった嗜好品まですべて海からの恵みでまかない、船員たちは独自の言語でコミュニケーション…彼らを束ねる謎多きネモ船長に導かれ、日本近海からはじまる、世界津々浦々の海洋冒険譚!
100年以上前の作品ながら、メインエネルギーがやがて石炭から電気になるというのを予見していたかのような万能潜水艦ノーチラス号。
かつて男の子だった人は、強くて大きくて速い、みたいなのには弱いのでは。瀬戸大橋ができる前、ホバークラフトに乗ったのも良い思い出(メモリー)です。水陸両用!
謎多きネモ船長に対しての意見がやはり多かった印象ですが、100年先を行く船のメカニズムや海底アジトといったオーバーテクノロジーを発明した天才でありながら、危険を顧みずサメと格闘したり、先頭にたってツルハシを振るったりと、部下を引っ張ってゆくカリスマを備えたリーダー。
完璧に見えて、どこか繊細な所も見え隠れしますが、南極点に漆黒のNの旗飜るシーンなんかは秘密基地設営みたいで燃えます。まさに海の王者…海王…海神…ネプチューン…完璧超人?!Σ(・□・;)
版元によって、航海の記録が載っていたり、原著の挿絵だったり、あるいは翻訳国の絵描きががんばって描いた挿絵だったりと、比べてみるのも色々楽しいですね。
1日に1度は浮上して新鮮な空気を取り込まなければならない潜水艦のように、我々読者もまたふんだんに挿入される挿絵で息継ぎしながら深く潜ってゆく…ヴェルヌ先生の博識さには畏怖と敬意を感じるとともに、魚のウンチクがはじまると私なんかは「マグロうまいよね」と適当にスルー。
物語のはじまりでは、巨大な海獣と思われていたノーチラス号も、約1年が経過した終盤では世界に仇なす人類の敵として軍艦に攻撃されたり…海底から鋭い衝角を備えて急浮上してくるようなテロリスト集団は狩られて当たり前であるとともに、ひしめき合う列強の中で、ノーチラス号を鹵獲・量産化に成功した国が世界の制海権を握ると言っても過言ではなく、この辺はなんか現代に続く戦争の匂いが強いです。ガンダム00的でもありますが「俺がネモだ」既に量産型だぜ?
この辺の当時の緊迫した社会情勢や、ヴェルヌさん自体は平和主義者だった…といった話題ももりあがりました。
中学生の頃に読んで、ほとんどストーリー忘れていましたが、再読してみて、再び海の冒険に出られて楽しかったです。
最後のオチについては色々と賛否ありますが…現代社会でも、大渦を巻く台風には人間は勝てないわけで、まぁしょうがないかな的な部分も。
参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました!
「海獣の子供」と同時期にアフタヌーンで連載していた海洋SF。アガイヨー。
★次回は 9/15(日)14:00ー
角田光代の直木賞受賞作「対岸の彼女」を取り上げます。
過去と現在を生きる、1人の同一人物たる女。現在のコミュニケーション能力抜群の姿とは裏腹に、高校時代は目立たぬよう息を殺して毎日を送っていた。性格や立場が大きく異なる女同士で果たして友情は成立するのだろうか?
かつて夏休み明けの登校がしんどかった、すべての人が読むべき一冊!
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レポート作成:はじめ