高松に、梅雨の足音を感じさせる土砂降りの雨が降った翌日は快晴!

下記の内容で課題読書会 2nd Memory を開催しました。

日時:2019年6月16日(日)14:00ー16:00

場所:WeBase高松

参加者:3名(男2・女1)

課題:ナブコフ「ロリータ」

6月はロックな一冊、という事で選書しましたが、ロックすぎたのか今回は集客に難儀しました。が、名著である事に変わりはなく、平日夜の会によく来てくださる方が2nd Memory初参加で遊びにきてくださいました。

奇しくも「父の日」でしたが、理想のニンフェットーー大人の女でもなく、子どもでもない9-14歳の少女像を賛美崇拝する小金持ちのハンバード氏が出会ったどストライクのロリータ。

彼女を女手ひとつで育てる母親に取り入って結婚し、幸か不幸か母親は交通事故→養父として2人きりの生活のはじまり。

旅に出れば、最初はホテル2部屋取ってたけんど、親子なんだし別に1部屋でもいいよね? いやいや危ないって。うわぁΣ(゚д゚lll) とドン引きするようなシーンが多々。

小説的な技法として、ドン・キホーテと似たような手記形式であること、そしてその手記によりハンバード氏とロリータの結末は既に冒頭で明かされている…といった事の他、

日本での少女愛であれば、「源氏物語」や「痴人の愛」だよね。痴人の愛で男の心を揺らす悪女ナオミの人気により、ナオミと命名される赤ちゃんや、玄人さんが源氏名をナオミにしたとか。∑(゚Д゚) 源氏…名?

フォーム修正とかいかがわしい想像をかきたてるロリータとハンバードのテニス。ナブコフもテニス上手だったのが作中にフィードバックされているみたい。∑(゚Д゚) テニス…アメリカ…ナオミ…大坂なおみ?

理想の投影としてのニンフェット像については、みんな多かれ少なかれそういった部分をもっており、清く美しくあってほしいという願望を、たとえば灼熱の暑さのなかプレーする高校球児に投影してみたり…。

そんな夏の青い空と入道雲の下、菅弦楽器の奏でるマーチに鼓舞され白球を追いかけ、あるいは打っていた球児が、空調の効いた遊戯場で電子音に射幸心を煽られながら銀球を目で追い、釘を打っていても、それはその人の人生であって「私の思い出汚すなよ」はまさに外野の意見…ロリータもいつまでも可愛い少女ではなく、いつかは巣立って行く…

猟奇殺人者だと剥製にしたり、意に沿わなくなった女は殺したりするーーこれぞまさに現代でいうところの「ロリコン」だが、そのルーツである今作ではそんな事はない。

ランバード氏はどこかでロリータがいつの日か離れてゆくのを認めたくないけど、理解していたのでは?

ラストの展開については、色々な意見が出ましたが、それはまた読み終わった人のみが話し合えるネタということで…ただ私が言えるのは、題名や内容から敷居高く感じている人こそ手に取って欲しいなぁ。

…小ネタとして、ハンバード氏はイニシャルとファストネームでH・Hで表記される場面があったり、またロリータの誕生日は1月1日(ニンフェットで居られる残り時間を明白にさせるため?)だったりと、変なところで私は「おっ」となりました。本編とまったく関係ないけんど!

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

モノクロ映画のワンカット

うめぇ。LとRの違い、語源も異なるそうです。

ソレイユで公開されていたフィッツジェラルドの「ブックショップ」でも「ロリータ」旋風が。

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次回は7月21日(日)14:00ー

梶尾真治の「黄泉がえり」を取り上げます。

熊本市で、死んだはずの家族が生前の姿で戻って来るーー「黄泉がえり」現象が発生。

戸籍の復活など、対応に追われる行政だが、戻って来た者たちは本当にかつての生者と同一人物なのだろうか? 群像劇で物語は進んでゆき・・・。

熊本市には通常の8月のお盆の他に、7月に死者を迎える7月盆なる風習もあるとのことなので、課題として選書しました。古民家からゲストハウスへと黄泉がえった 燈屋さんをお借りしての開催です。

参加申込はこちら⇒「参加申し込みについて」

レポート作成:はじめ