師走で歳末感たっぷりの12月。散髪して風邪をひきかけたりもしたけれど、私は元気です。冬でも短髪!

課題図書型読書会 2nd Memory 1ー4月の課題発表です。

年末年始のお休みに読む本探している人なんかは参考にしていただけると幸いです。

読書会1−4 2019

 

【1月】

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1月は成人の日、という事で1969年の1月15日(成人の日)に「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」と日記に綴った高野悦子さんの『二十歳の原点』を課題とします。

1月2日が誕生日と、なんとなく私はシンパシー感じてしまうし、彼女が綴った恋や友情の悩みは現代を生きる我々にも深く共感できる部分があるはず。

かつて二十歳だった、あるいはこれから二十歳を迎える全ての人にお勧めする1冊。

(なんとなく新成人や未成年にプレゼントしたらかっこいい? お正月の集まりで親戚にお年玉とバーターでどうでしょうか?)

【2月】
[amazonjs asin=”4101240523″ locale=”JP” title=”月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)”]

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2ndMemory初となる上下巻! つい先日、キリンのように首を伸ばして待ちに待った新作が来年発売が発表された十二国記シリーズのエピソード1。

2月の建国記念の日と新年号イヤーを絡めての選書です。おおもとは少女小説であるため上下巻でも難なく読み切れるはず。日本の文学史における、平成を代表する異世界ファンタジー。シリーズが進むと中華的異世界で難解な漢字が出て来るのですが、エピソード1では、「なにも知らない(知らされていない)少女」が現代日本から十二の国がある異世界に連れてこられているため、知らない言葉は最初はカタカナで表記されます。

ググれば細かい概要なんかはすぐ出てきますが、未読の方は主人公・陽子と同じく予備知識なしで読んでもらいたいです。NHKでもアニメ化されており、YouTubeで「月の影 影の海」は12話で全部見られたりしますが——たぶん読んだ方が時間かからないはず。アニメはちょっと変えてる部分もあるので、まずは原作を。小さな書店でも、けっこう置いてあります。さすがは国民的ファンタジー。

 

【3月】
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課題とするのは、これら短編集に収録されている「もののあはれ」です。

昨年3月に開催した「紙の動物園」はケン・リュウの「幻想もの」の代表作にして、本邦に紹介された短編集のトップバッターを務めた作品です。

今回課題とするのは幻想、ファンタジーではなくSF作品となります。

単行本では二番手に収録され、ケン・リュウという作家の持つ引き出しの深さをこの作品で日本人にしらしめたと言っても過言ではないでしょう。

中国生まれ、アメリカ育ちの中国人から見た、我々「日本人」が登場する短編です。

たぶん、この日本人像においては311東日本大震災も無関係ではないかな・・・と思わせる描写がちらほら。

 

【4月】
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課題読書会をはじめたとき、いつか取り上げたいと思っていた舞城王太郎。

30回も越えたし、そろそろ投入してもいいだろうということで、奈津川サーガ「煙か土か食い物」をセレクト!

福井の名士の家に生まれ落ちた四兄弟、一郎、二郎、三郎、四郎。アメリカで外科医として働く四郎の帰郷、その血塗られた家系の謎。改行と読点を極限まで排した独自の文体は、学生時代の私にとって「これが新しい小説やねんな」というものでした。

なんだかんだで舞城氏はマルチに活躍している事もあり、氏の原点に触れるという意味合いでも四月に四郎の物語を読んでみるのもオツでしょう。

 

読書会に参加いただいた方、ならびにブログをご覧の皆様、本年は大変お世話になりました。

八栗さんパワーか、多くの縁に恵まれてたくさんの新規の方に遊びにきていただけた1年でした。

既読の本を懐かしいという参加者の方もいれば、課題だから読み、読んで良かったという方もいる。私にとっても良い「おもいで」となりました。

2ndMemoryはほぼ毎回参加いただける常連さんや、1年に1回のペースでふらりとやってくる人など様々ですが、誰もがふらりと立ち寄れる止まり木のようなフラットな会でありたいと思っています。

新年に読書会に参加してみよう、あるいは本を読んでみようという方の何かのきっかけになれれば嬉しいです。

 

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

先月行われた「ポリ裏ブックバザール」に出店しました。
ビラ置いといたら、けっこう十二国記や舞城王太郎、過去に取り上げた本なんかでお客さんとお話できて楽しかったです。

金色夜叉マント。ちぇぇ。
むっちゃ寒かったので、防寒着として活躍しました。

参加申込はこちら⇒「参加申し込みについて」

レポート作成:はじめ