第17回 2nd Memory(セカンド・メモリー)開催報告

青い空の下、熱戦続く高校野球や野外ロックフェスなど、夏本番といった8月中旬。第17回 2nd Memory(セカンド・メモリー)が下記の内容で開催されました。

個人的にはこの土日はブックフェスというか、広島は尾道市で開催されている読書会に土曜日遊びに行き、連チャンです。

課題図書:「高野聖」

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会  場:珈琲哲學 高松店 14時ー16時

参 加 者:6名(男4・女2)スタッフ含む

満席御礼。今回は、なんと県外から初参加の方をお迎えしての開催でした。前日に行った尾道の読書会でもご一緒した方でもあり、二重にびっくりです。環・瀬戸内海文化圏の環!

課題としたのは、8月の祝日「山の日」にからめ、山家に迷い込んだ僧の前に現れる、なんとも形容できない美しき魔性の女。エロティズムな泉での沐浴から、恐怖の一夜を描く泉鏡花初期の傑作短編「高野聖」です。

 

個人的には魔性の女のイメージは、鈴木京香や黒木瞳といった、笑顔も美しければゴミを見るような軽蔑の視線も鋭い、振り幅の大きいタイプ。綾瀬はるかでもいけるか? でも作中で僧に対して「おばさんくらい歳違いますよ」と言っているので、やはり前者2人のイメージか。つーか現代でいう美魔女だよね。

 

私の卒論テーマが「泉鏡花文芸における女性像について」で、「高野聖」「草迷宮」「夜叉ケ池」の共通項から見える「魔性の女」について論じました。どの作品も僧侶・女・蛇が出てきます。そういえば、満濃池にも夜叉ケ池のように龍神伝説がありますね。高野聖の恐怖のピークとも言える、魑魅魍魎の騒乱・・・モンスターの騒乱・・・ハッ、モンスターバッシュ!?

 

会を通じて出た感想・意見として・・・

 

・日本語だけど難しい、注釈をはさみながら読んだ。

・ヒルの森を越えた先にいる「魔性の女」、普通ではない世界。住まう少年、親仁、女と「キャラ」が立っている。

・表現の鮮やかさ。エロティズムな描写を綺麗に書いている。

・どこかで聞いたような、昔話、民話の世界観に似ている。

・穿って読むと、本当に「変身」などしたのだろうか。語り手たる和尚の作り話?

・最後の親仁の語る真実、本当に正しいのだろうか?

・リズムや韻に乗っかればスラスラと読めた。

・怪奇譚だが、それほど怖くない。

・昔モノクロ映画で魔性の女を京マチ子が演じていた。映画独自の解釈で、獣の顔が人間に戻って僧侶に警告するシーンが印象に残っている。

・安部公房「砂の女」とも似ている。

・夫婦なのだが、少年と魔性の女の間にある親子のような関係。

・多くの命を奪った洪水、人間を獣に変える水=殺す力、それでいて水がないと生きられない。

・女の本性、大酒飲み。あぐらかいて鯉がつまみ。たぶん少年は「てめーは沢庵でも食ってろ!」で部屋の隅に追いやられている。

など、自由な感性で語られました。

 

なんか現代的に意訳すると、お水のお姉さんに入れこもうとした若いお兄ちゃんをギリギリのところオジさんが現実にそっと連れ戻した、と書いても間違いないかも。

 

 

親仁さんが女を独占したいために、邪魔者になりそうな僧を追い出したというようにも受け取れたりもするけど、ひとりの女に対して3人の男で、滝がしぶきをあげる環境があったら、沢が真っ赤に染まりそう。

 

もちろん語り手たる和尚は、説法など言わば「言葉のプロ」であるからして、すべてが作り話という説も切り捨てられないけど。

 

初めて読んだ若い頃なんかは、年上の女性に憧れる気持ちもわからんでもなかったけど、いま読むと若さゆえの青さよのう・・・という心境。他の人の様々な意見を聞け、またいつか夏の夜に紐解きたい一作となりました。

 

青空文庫で無料で読めますので、未読の方は是非トライしてみてください。私の解釈で良ければ、いつでもお話しますよ! 観念的すぎて「これ」といった正解みたいなものがないのもまた、鏡花の魅力だと思っています。

 

猛暑の中参加していただいたみなさん、どうもありがとうございました!

※ここのチーズケーキ美味しい。

※青空は本名の「泉 鏡太郎」ですね。

※お化けのでる作品なので、ゴーストバスターズ!

※雷雨の峠を下り、粉雪の峠を上る。水は液体にも個体にも「変身」する。

次回は9月17日(日)
ゲーテの「若きウェルテルの悩み」を取り上げます。
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次の日が「敬老の日」ですが、若さゆえに突っ走った過去というのは、きっと誰にもあるはず。

そしてまた、9月はゲーテが手痛い失恋をした月でもあるそうです。

ウェルテルがロッテに恋い焦がれて書き綴った書簡をもとに展開する、多くの人に読み継がれる失恋小説。

夜が長くなる9月にぴったりの1冊です。

 

 

参加申込はこちら⇒「参加申し込みについて」

レポート作成:はじめ