コロナ禍で、各種イベントが中止や延期…。
私もビブリオバトルや一箱古本市と、参加申込していたイベントが軒並みなくなり、やることないなぁと本のページをめくる日々…。
29日開催予定だった「みんなで本をもちよって」は距離近く、本やカードで接触するので中止に。フレンドパークの他の読書会は開催状況とか写真載せてるので、新規の方はそれでどれくらいの距離なのか推し量ってください。
ボードゲームは流しましたが、少人数だし、なるだけ席は離して課題読書会は続けようと、下記の内容で読書会を開催しました!
日時:2020年3月15日(日)14:00ー16:00
場所:高松市市民活動センター 第1会議室
参加者:5名(男3・女2)
課題:壺井栄「二十四の瞳」
今回も2ndMemory初参加の方をお迎えしての開催でした。
課題としたのは、3月は「オリーブの日」なるものがあるのと、4月からの新学年に絡めて、小豆島がモデルとなった、郷土作品・壺井栄「二十四の瞳」です。
女学校を出たばかりの「ぱりぱり」のおなごせんせいが、6ヶ月月賦の自転車に跨り、洋服で岬の分校に通勤してくる。
児童はもちろん、岬の人々にとっても珍しい光景。最初は余所者を嫌う島国根性丸出しであったが、徐々に打ち解け、最初の別れと、本校での再会。卒業後の教え子たちの様々な進路…。
なんとなーく、こうの史代の絵柄で脳内補正できてしまうのは、この作品が児童文学であると同時に、反戦のメッセージが込められているからでしょうか。
映画なんかでタイトルと小豆島がモデルなのは知っているが、ちゃんと読んだのは、はじめてという方や、久々に読んだという方が半々ぐらいでしょうか。
何度も映像化されており、私が知ってるのは黒木瞳の単発テレビドラマ版…おなごせんせい時代は、ぱりぱりっつーより、バリバリ感が強かったですが。。。
最初の牧歌的な平和な日常のシーンも、後半になってくると貧しさが強調され、戦争の影……コロナと戦うなかで、輸入品が入ってこない…物資不足になりがちな現代とどこか重なりますね。
貧しいながらも、一生に一度の修学旅行に送りだしたい親心…かつての香川観光の代名詞「ちゃりんこ」ーー築港スタートで、屋島、栗林公園、金刀比羅宮。0泊3食弁当持参の弾丸旅行、アルマイトの弁当箱に梅干しを入れると酸化する! 高松銘菓の瓦せんべいは昭和初期に存在していた。
「視覚」がキーとなるラストシーンとタイトルの相乗効果……かつて可憐なマっちゃんが、色々と修羅場をくぐりながら、島に戻ってきてくれたのは良かった。
郷土出身の小説家であるが、高松にはお嬢様コースをたどり、高松のモダンガールの走りと謳われた絵本作家の村山籌子と壺井栄は同年代ーー東京の同人なんかでニアミスしてたのではないか? や、「教師小説」というジャンルにおいて、「二十四の瞳」は金字塔だが、他にも色々ある事などが語られました。
現代版だと36ヶ月ローンで買ったカーボンロードとピチピチのレーシングウェアで颯爽と校庭に横づけする眞鍋かおり似の新任女性教諭と、色気に負けた男子たちが自転車競技部を作って寒霞渓を攻め、1日でちゃりんこーーこんぴらさん参って島に戻りーーインターハイを目指すような世界も……ないね。
春を迎えるこれからのシーズンにおススメの1冊です。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
★次回は4月19日、香川県立文書館2階会議室にて「羊と鋼の森」を取り上げます。4月4日が、ピアノ調律の日、という事と4月=新入社員、そして4年前の4月に本屋大賞に輝いた作品ということもあり選書しました。
山奥の男子高校生が出会った、ピアノ調律師。
繊細なメンテナンスから奏でられる音に、鬱蒼と生い茂る森を幻視し、弟子入りを志願。弟子はとらないからと専門学校を紹介され、卒業後、同じ楽器店に就職。
職場の先輩、後輩となれば師弟も同じ。間近で仕事をすればするほど、ピアノという森の奥深くへと・・・。
海の先生から、森の師匠へ。
参加申込はこちら⇒「参加申し込みについて」
レポート作成:はじめ