史上最速の梅雨明けと、連日の猛暑・・・。
早明浦ダムの貯水率も危険域に達し、第三次取水制限のはじまり。
祝日もなく、体力を休めるガチの休養日が欲しい。
そんなロクでもない六月の終わり、下記の内容でリモート読書会💻を開催しました。
日時:2022年6月25日(土)20:30-22:00
場所:ZOOM
参加者:3名 男 2 女 1
お題:団鬼六💴「真剣師 小池重明」☗☖
実在した「最後の真剣師」と謳われる、小池重明の生涯を晩年のパトロンとなった団鬼六が綴った一冊。
末期癌で入院中、体中のチューブを引き抜いて死んだ(一種の自殺?)小池重明の葬式からはじまる物語。
将棋小説でもあり、伝記小説でもあり、あるいは1人の真剣師のルポタージュでもある。これまで「聖の青春」「泣き虫しょったんの奇跡」と将棋モノを取り上げてきましたが、表の世界に対して裏の世界の将棋ギャンブラーたる小池重明にスポットを当てた今作品。現在手に入るのは、幻冬舎アウトロー文庫。団鬼六先生の著作群もずらりと収録。
私は、いまはちょっとマイブーム下火になったけど将棋ハマってた時期があって、その流れで将棋文学として、この本を読んだけれど、他の参加者さんは読書会を機に手に取ってくれました。私は文庫になった幻冬舎版ですが、他の方は原本であるイーストプレスの単行本版。
まず、表紙が怖かったと。鋭い眼光の小池重明の顔とサブタイトルが「新宿の殺し屋と呼ばれた将棋ギャンブラーの生涯」。新宿+殺し屋。事前情報入れておかないと、ガチのドンパチモノとして敬遠しかねない。
将棋のルールとか知らなくても、六でなしの両親の下で暮らし、友情や反社のセンパイの強力すぎるサポートでの青春と真剣、人妻との逃避行…。
私は単純に、対局前に徹夜でドンチャンやって駆けつけてくるとかは、人に対する礼儀云々で、そこにばっか気になったけれど、参加者さんの指摘で、好きになる人妻とかも家庭で抑圧されていて、そこに自分の過去を重ねてなんとか救ってあげたいがための行動ではないか、というのに目から鱗!
かといって、新天地で真面目に働くわけではなく、女は去ってゆく…カモを連れてきてくれれば賭け将棋で借金返済しますよ! と言われても、カモ🦆に差し出したら、カモの人との人間関係もギスギスするので、なんだかんだ憎めないヤツ…と団先生をはじめとした周りが借金を肩代わりしてたりしている。
遺書では保険金の分配とかに書いてあるけれど、よく入れたな! 県民共済、掛け金は安くて補償はいいけど、あれ全部自分で手続きしないといけないから面倒くさいだろうに!
アウトロー、という点で読書会の中で面白いエピソードだったのが、図書館で借りた本の棋譜(☗☖で交互に動かした駒が記録されて、対局を再現できる。棋譜並べが趣味という愛好家も存在する)に、色々と書き込みしてあるものがあったという。マナー違反、書き込みダメ、絶対!
文庫版でも静かに版を重ねるロングセラー、リアルな無頼漢(アウトロー)への憧憬…将棋を指す人にも、指さない人にも突き刺さる一冊です。
参加いただいた皆様、ありがとうございました!
【 おすすめ本 BOOK 2nd 】
天才と鬼才の戦いを冷ややかに見守る刑事からはじまる物語。
小池重明モデルの真剣師が登場。決めろ、鬼殺し。
こっちにも、小池重明がモデルであろう真剣師が出てきます。
もはや「小池重明」はひとつのキャラ。
【 おまけ 】
★次回は 7/23(土) 20:30-
ジーン・ウェブスター 🎩「あしながおじさん」👧をとりあげます。
いろいろな出版社、翻訳者で出ておりますので、手に入ったものを読了ください。
七月は「文月」ということで、二三(ふみ)の日に、手紙形式で表現される小説・・・というイメージから、「あしながおじさん」を課題とします。
孤児院で暮らす女の子が、篤志家に文才を認められて、大学進学。寄宿生活での友情と、思春期の恋・・・リアルでは相談できる相手のいない出来事も、おおらかな気持ちで受け止めてくれる「あしながおじさん」相手での手紙では本音を綴れる・・・果たして、この2人が出逢う未来はあるのだろうか。
真剣師小池重明 → パトロン、団鬼六 → 後援、スポンサー → 篤志家 → 小池重明の遺書 → 手紙 → あしながおじさん
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レポート作成:はじめ