あっという間に1月も終わった2月2日。
古き良き街並の残る、日本のヴェネチア——岡山県倉敷市美観地区にある中央図書館にて、第三回となるビブリオバトルが開催されたので、バトラーとして参戦してきました!
いつもと違う、人・場所・本ーー知を求めて遊読する三千世界。
3rd Nomado(サード・ノマド)♯15
日時:平成31年2月2日(土) 14:00ー15:30
場所:岡山県倉敷立中央図書館 3階研修室
電車で行っても、車で行ってもお金そんなに変わらないし、だったら自分の都合=時間買うべぇと、ドライブがてら自家用車で行ってきました。大山名人記念舘で将棋やってた! あと1時間早くついてたら、たぶん混ぜてもらってたなぁ。席料とかかかるんかいな。大山名人生誕地のオーラを浴びたことで、私の振り飛車の切れ味も・・・と期待。
さて、倉敷中央図書館のビブリオバトル。
昨年末、たまたまTwitterで流れて来たのをキャッチしての参加表明。美観地区というのも魅力的でしたね。読書会やビブリオバトル、一箱古本市を核にして外出する。
そう、読書とは極めて「アウトドア」な趣味なのです!(・・・と言いつつ、なんもないときはゴロゴロしとるんですけどね)
今回のテーマは「図書館で出会った本」
そして、会場となる図書館に蔵書のあるもの、という条件付けがなされました。
図書館で借りるのは、たいてい新刊小説のハードカバーか、自分では買えないような高い本・・・となると、こいつだぁ! と頭に思い描いた本は、見事に蔵書にあったので、その本とともにバトルに望みました。紹介のために読み返す用に買いましたけどね。
バトラーは6人。
観客は20人くらいだったでしょうか。マイクなしだったため、地声で勝負。こういったとき、自分で言うのもナンですけど、よく通る声で良かったと思います。
以下、発表順に紹介。
[amazonjs asin=”448043044X” locale=”JP” title=”体癖 (ちくま文庫)”]
著者は小説家ではなく、整体師。体の癖。
人間の体はその癖により主に12種に分類され、それぞれの性格なんかが描かれているそう。
図書館では実用書コーナーに置いてあり、バトラーの方は過去の文豪はおそらくこのタイプ・・・のようなプレゼンで、読書好きの人たちの心をがっちりと掴んで見事チャンプに。
[amazonjs asin=”409143472X” locale=”JP” title=”藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 (1)”]
漫画本。といっても青年誌に掲載された短編を一冊に集め、バトラーさんはそのなかの「定年退食」をセレクト。食糧が配給制となった未来、定年を迎えると食糧貰えなくなる=死。
未来のディストピア? とも思ったけど、戦後の食糧難などがモチーフになっているそう。
[amazonjs asin=”4872909658″ locale=”JP” title=”子犬工場 いのちが商品にされる場所”]
劣悪な環境で妊娠、出産を繰り返し、やがては廃棄される犬や猫の工場——パピーミルのリアルな現状を描く。図書館では児童書に分類されているそうです。
やがては人間に消費される(食べられる)経済動物も、ストレス与えないように飼育される昨今において、高く売れるという理由でコストを切り詰めんとする悪徳ブリーダーに虐げられる犬たち。いのちとはなんだろう?
[amazonjs asin=”4167192268″ locale=”JP” title=”麦屋町昼下がり (文春文庫)”]
私が票を投じたのはこれ。
つい最近、藤沢周平没後25周年という事もあり、大の藤沢ファンのバトラーが孤剣を胸に修羅の庭に斬り込み!
短編集ですべて昼下がりにはじまる様式美、表題作の紹介でしたが、35石(年収150万)の貧乏剣士、300石(年収1000万)の上級剣士、剣名轟く2人があいまみえる裏に、ドロドロの御家トラブル、シグルってんなぁ・・・と読みたくなりました。
[amazonjs asin=”4314011424″ locale=”JP” title=”プリズン・ブック・クラブ–コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年”]
私が紹介した本。
読書会を開いている人は、けっこうこれ読んでいる。
鬼は外、福は内——ちうことで、殺人鬼=犯罪者が収容される場所、カナダの刑務所で行われている課題型読書会に1年間参加した女性ジャーナリストのルポタージュ。
だんだんと読書にのめり込んで行く囚人たち(まぁ他に娯楽らしい事もないしね)の姿や、なぜかドラッグが壁の中で流通しているような刑務所内の姿などが浮き彫りに。読書でブレイク・スルー、これが本当のプリズン・ブレイク!(これが言いたかっただけちゃあうんかい)
[amazonjs asin=”4884922565″ locale=”JP” title=”サダコ”]
広島に投下された原子爆弾で被爆し、その影響で12歳で生涯を終えた佐々木禎子さんを題材に、オーストリアの作家が書いた1冊。祈りの千羽鶴やお百度参りみたいな願掛け的なもの、海外にもすんなり理解されるんだろうか。世界平和祈願。
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今回面白いポイントだったのは、A3サイズの紙に、紹介本への感想を書く欄があり、後日本と一緒に展示されるそうです。あまり手に取られない本が、予約待ちストップ高のエースになる・・・そんな1冊があってもいいと思うのである。
また、この感想文、展示されるのはコピーで、原紙のほうは参加者毎に切り分けられて終了後に持ち帰らせてくれました。
2分間のディスカッションタイムだけではあまり聴衆との双方向コミュニケーションとはなりませんが、この試みはいいですね。
また、気になった本はそのまま図書館で借りて行ける、地元の人なら予約して確実に読む機会を得られるというのも、「読みたい」という気持ちだけではなく「実際に読む」というステップに繋がりやすいのではないでしょうか。この辺は図書館や書店開催のビブリオバトルが持つひとつの強み。
総じて、第4回、5回と続いていってほしいビブリオバトル大会でした。
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先週の研修会とあわせて、ビブリオバトルもフレンドパークの特別企画のひとつ、そしてゆくゆくは不定期開催でもやれたらなぁなどと思うところです。
zer0=Kindle
1st=Line
2nd=Memory
3rd=Nomado
と続いてきた連番+アルファベット(ネット界隈の単語)シリーズ(古本市の屋号だったゼロはセカンドに統合され、ファーストは休眠中ですが)
4th= Outlook
フォース=力、軍(バトラーが集う) アウトルック=眺め、展望、
別に金曜ロードショーでローグ・ワンを見た訳ではないけんど。。。ワン・・・1・・・あ、おれ、はじめさん。
レポート作成:はじめ