列島に大寒波襲来し、香川でも粉雪舞った1月26日。

隣県、岡山で開催された、ビブリオバトル発案者である、立命館大学教授・谷口忠大先生の講座に参加してきました。ちなみに、晴れの国 岡山でも雪。

いつもと違う、人・場所・本ーー知を求めて遊読する三千世界。

 

3rd Nomado(サード・ノマド)♯14

 

日時:平成31年1月26日(土) 13:30ー15:30

場所:岡山県笠岡市立図書館 多目的室

ビブリオバトル誕生10周年を記念して、2017年にはじまった、ビブリオバトル発案者である谷口先生の全国行脚のフィナーレを飾る会でした。岡山の図書館協議会さんが主催でしたが、会員外でも受講させていただけました。ありがたや。先生がわざわざ京都からお越しくださるんですから、腰に爆弾抱えてようが岡山ぐらい行きますよ。申し込んでから笠岡市が、広島との県境に近いと知ったけど!

 

 

 

約50人が集い、外は寒かろうが熱気にあふれ、ほとんどが図書館、教育関係者でしたが「本好き」という共通項があれば、We are the 親戚!

 

 

 

1時間ほどの講義の後、4人1組のテーブルに分かれてのビブリオバトル、あっという間の二時間でした。

 

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講義で印象深かったことの備忘録。

 

・ビブリオバトルは「ゲーム」であり、それを形作るのは「ルール」

皆がルールを守ることでゲームらしくなるし、

ルールが変わってしまうと、それは別のゲームになってしまう。

設計・デザインといった「理系の視点」によりルールは作られている。

 

 

 

・書評合戦と言われているが、実際は「布教合戦」である。

 

 

 

・本来のビブリオバトルは5、6人で行う茶話会の延長的なもの。

 

しかし、メディアの取材が入るのは年に1回開催されるような大きな会場で200人くらいの聴衆がいるもの。

 

そこでよく知らない人にはビブリオバトル=弁論大会 のようなイメージがついてしまっている。

 

 

・「読書感想文」という言葉を聞くと、人はなんか夏休みの宿題のネガティブな印象を持つが、「レビュー」と言い換えると、ネットには様々なレビューブログなんかがあり、そこはポジティブな場である。

 

 

学校現場で読書推進としてビブリオバトルを「強制」すると、無理矢理やらされる読書感想文と同じで、子どもがネガティブなものとして認識する危険性がある。

 

 

ドラマ化されたような作品を、本を流し読みして、さも読んだように発表したりするのはよろしくない。

 

 

 

・グーグルトレンドで、昔はビブリオバトルの検索数は多くなかったが、いまでは「読書会」「一箱古本市」「ブックトーク」といったアクティビティと同じぐらいの認知数になってきている。

 

 

 

・ビブリオバトルは「マルチエージェントシステム」。人間の脳を使った書籍検索システム。

 

 

第一段階で、様々な読書経験を持つ参加者が各々面白いと思った本を1冊持ちより、チャンプ本選出という第二段階でさらに1冊に絞り込まれる。

 

 

・勝敗をつけない、といった考えで「ビブリオトーク」などといった名前で行う会もあるらしいが、それをすると「いい本をもってこよう」といった意識が芽生えづらい。

 

 

ビブリオバトルは、「みんな」で「いい本」を探す、探索の旅である。

 

 

 

・本を通じて人を知り、人を通じて本を知るゲーム・・・繰り返しの開催が大事。回を重ねることで、チャンプ本や、参加者の発表傾向から「次はこれを持って行こう」と分析したりできる。5分の発表、3分の質疑応答だけでは本の魅力はすべては伝え切れない。ゲームの後の懇親会などの励行。大会形式だと、これが難しく一方通行のコミュニケーションになりがち。

 

・コミュニティ型(少人数)

・パラレル型(少人数×複数テーブル同時開催)

・イベント型(大人数の前で発表)

学校のクラスでやる時はパラレル型がオススメ。いきなり全員の前でやると、ビブリオバトル=罰ゲームみたいなネガティブなものになる。

 

 

・大人が呑み会でビブリオバトルやるのも良い。子どもの読書離れが叫ばれるが、実は一番本を読んでいるのが子ども達であり、大人が読んでいない。大人が読んでいる環境ならば、子どもは自然と読むようになる。

 

 

気軽に本を持ち寄って「グダグダになる」のが理想形。学校で先生が原稿、ワークシートを作成させ、ペン入れしたものを発表させるようなのはダメ。

 

 

 

・ビブリオバトルが終わったあとにテーブルがざわざわしているのは、ビブリオバトルがうまくまわっている証拠。話足りない、「次」「外」が大事。よっしゃ、呑みに行くぞ!

 

 

・5分間の発表は、発表者の「権利」であるため、誰も口出ししてはいけない。「相づち」ならばOK。

 

・ゲームのルールを遵守させるのは「法律」の勉強となる。5分間が短い、長いと感じても守らなければならない——どうすればいいかを考え、繰り返すことで上手くなってゆく。

 

 

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ざっとこんなところかなぁ。ビブリオバトルは運営するより、バトラーで発表するほうが性にあっていると思っていましたが、少人数で行う形式ならば、特別企画としてちょっとやってみてもいいかなぁと思いました。

 

と言いつつ、来週の土曜日 2/2 に岡山県は美観地区にある倉敷市立中央図書館にて開催されるビブリオバトルにバトラーとして参戦するんですけどね。観客も申し込みが必要ですが、興味ある人は是非お越しください。

第3回 図書館ビブリオバトル チラシ

あっちゅうまでした!

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サインもらったった!
徴(しるし)が刻まれたことにより、教科書(テキスト)から聖典(バイブル)に!
206p
「本をよく読んでいる生徒が、教室の片隅に座っているのではなく、クラスのヒーローになる。そんな世界があってもいいのではないかと思うのだ」

 

 

レポート作成:はじめ