あっという間に2月が終わり、花粉も猛威を振るう3月頭。

お隣、岡山県にてビブリオバトル&出版、書店経営者のトークイベントがある聞きつけ、青春18きっぷで遊びにいったレポートです。

いつもと違う、人・場所・本ーー知を求めて遊読する三千世界。

3rd Nomado(サード・ノマド)♯17

今回参加したのは、このイベントなのですが、その前哨戦というかウォームアップとして、読書メーターで朝の10時からイベントがあったので、先にそちらに参加してきました。

主催の方は、関西圏を中心に開催されている方で、昨年の夏にサンポートで開催された海の見える一箱古本市にも遊びにきてくれた方でした。

当日キャンセルもあり、私を入れて3人でしたが、その分がっつりと本の話をできて楽しかったです。

街の郵便屋さんを主人公にしたシリーズもの。著者は「ひと」で今年の本屋大賞にエントリーされています。

私が今回のビブリオバトルに選んだ本。過去に読書会でも紹介していますが。。。本番前の良い予行演習になりました。

昨日、図書館の新刊コーナーにあったのをスルーしていたが、まさか次の日に紹介を聞けるとはシンクロニシティ。オバマの名演説、チェンジ! ウィーキャン! にやられた大学生がスピーチライターとしてチーム入り。文書は残せなかったので、当時の記憶を呼び起こした手記。

妹と同居することにした姉。2人は同じ大学に通い、ともに写真部だが、唐突に妹が姿を消した。差し込まれる連続殺人の描写と、特に殺人、消えた妹のことなどに触れられず日々は過ぎる・・・。なにそれこわい。

戦時中の医者にスポットを当てた短編集。最前線で働く軍医もいれば、後方にいたが空襲で地獄を見たものなど様々。蠅。なんとなーく想像ついたけど、やっぱり・・・。

おおよそ1時間半の楽しい時間を過ごし、一路私は会場である総社市へと向かいました。

そして旅の目的であるイベントに参加。

日時・3/2 13時ー17時

場所・宮脇書店総社店

一週間前には多くのランナーがマラソンで駆け抜けた吉備路。

そのロードを踏みしめ、集いし8人のバトラーと、会場を埋め尽くす30人ほどの聴衆。

穴蔵にこもって本を読んでいたら、知らずに本の虫を通り越して本の鬼になっていた猛者ぞろい。

会場である宮脇書店総社店・ヒロシゲマエを経営する、三宅社長、原書房の成瀬社長、柏書房の富澤社長もバトラーとして参戦。岡山の読書シーンを担う、県内大学の読書サークルの面々も集う・・・フレッシュな若者とベテランに挟まれた中途半端なオジさん・・・それが私だ。。。

バトルは前半4人、後半4人の二部構成。前半4人終わったところで一度投票があり、チャンプが決戦へ。後半も同じ流れで、その後に2人による頂上決戦。この際に同じ本で戦ってもいいし、別の本でも良い。

鬼にならねば見えぬ地平もある・・・ちうことで、前半の4冊はこちら。

三宅社長紹介。半世紀前から続くロングセラー。かつて川端康成や三島由紀夫をも唸らせた沖縄文化論。

女子大生が紹介。外資系企業に憧れる女の子がもぐりこんだ派遣会社。派遣先で奮闘しながら目指せ、外資系のデキる女! 就活において語学留学は留学にはカウントされない。思わず「え・・・」と声が漏れた。

成瀬社長紹介。開催地が岡山ということもあり、岡山出身の内田百閒先生の列車旅紀行文。小学館のIKKIの漫画版ちらほらめくってたなぁ。青春18きっぷで旅してきたこともあり票を投じました。前半チャンプ本。

私の紹介本。会場が本屋で、土曜日開催・・・ちうことで、ちとあざといですけどこれ。似たような構成ならば、ビブリア古書堂があるので、それを絡めて剛力はあっちはミスキャストだけど、こっちの「金曜堂へようこそーっ!」とテンション高い南店長ならあら不思議・・・ぴったり!

そして、後半の4冊

男子学生紹介。青土社って、厨二病にかかった頃に世界の神話の本でお世話になったけど、こういったのも出してるのか! 多くの人が必要とするであろうゴキブリ退治に関するページ数は少なく、名前の由来や文化についてがメインだとか。

富澤社長紹介。フレンドパークでも、過去日曜日に紹介された本ですね。

チェルノブイリ事故で、当初は火災として現場に急行した消防士。被曝したことで変わってゆく夫と、その妻、甲状腺がんの子どもたち。。。

男子学生が紹介。原発関連の本のあとに、我々の暮らすこの世界が大災害なんかで崩壊したとして、どのようにすれば再び文明を取り戻せるかを書いた一冊。SF小説ではなく、あくまで一般書。世紀末を乗り越えるバイブルとも呼べるのでは。私はこれに票を投じ、見事後半のチャンプ本に。

男子学生が紹介。私は既読でストーリーもすべて知っているので、どのように紹介するのかと楽しみにしていたら、自身の現在就活生という状況をうまく作品の事象とリンクさせての発表でした。一冊の本が世に出るために奥付にも載らない縁の下の人たちを描くドラマ。

かくして、決勝に駒を進めたのは超特急の阿房列車と科学文明と思いきや、ここで男子学生によるエクストラブック。

本将棋とは異なる世界を作る、詰将棋。

プロ棋士でも詰将棋を作るのが上手い人もいれば下手な人もいる——どっちかというとアマチュア愛好家たちの研鑽によって形作られている世界。

それで収入が得られるわけでもない、その深淵なる世界に魅せられた人たちをまつのはパラダイスではなく、愛想つかして離婚したりとの失楽園とのこと。。。

私も将棋指すので、こっちが読みたく票を投じましたが、本当に接戦で、阿房列車が見事チャンプに輝きました!

ビブリオバトル終了後は、第二部として、三社長に対して事前に質問を募り、厳選されたものに答えるトークショー。

出版や書店関連のぶっちゃけトークがおおいに盛り上がりました。

学生さんにとっては、出版業界への就職や、業界の未来といったことが気になるようですね。

もちろん現状のままでは暗いだけかもしれないけれど、サイン会を行えば一気に百冊売れることもあるし、仕掛け次第ではまだまだやっていける可能性も示唆されました。

そして、私がなにげに驚いたのは、大学の読書サークル活動が活発なこと。学校間での横の繋がりや、バトラーとして参加している学生や、聴きにきている学生、みんなの本が好きという気持ちは強く感じました。

読書会フレンドパークも、ブッククラブ、読書サークルでありますので、若い彼らに負けないように、楽しんでやっていきたいですね。私は移動で腰は砕け散ったけどね!

前にきたときカフェだった場所が、いまは多目的スペースに。時間貸しもやってるので、読書会やるのにはもってこいでしょうね。

POPを書いて、そのまま今日の発表本は展示販売されます。読みたいと思ったら、買って帰れる。これは書店開催のビブリオバトルの強みでしょうね。

票を投じた「この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた」総社店で購入。
最近発売になった「陰陽師」の最新刊と、詰め将棋が題材となっているミステリも買う。

春の恒例イベントとなってきた、岡山大学で開催される瀬戸内ブッククルーズさんの「小さな春の本めぐり」。

魅力あるプロの本屋さんの出店もおなじみですが、今回ははじめて「一箱古本市」も開催され、私も「2nd Memory」の屋号で出店します!

青春18きっぷを使えば安価で瀬戸大橋を渡れるので、岡山香川、さらに遠方の方もぜひ遊びにきてくださーい!

レポート作成:はじめ