メリー・クリスマス!
早いところでは既にツリーが点灯している11月18日。
下記の内容で、今年最後となる課題読書会2nd Memory が開催されました。
日時・2018年 11月18日(日) 12:00—14:00
課題「飛ぶ教室」
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会場・アルドールはただ 高松店
参加者・6名(男3・女3)
満席御礼!
読書会フレンドパークは12月はお休みをいただいております。
よって、一足早く11月にクリスマス小説でもあるケストナーの「飛ぶ教室」を課題としました。
読書メーターやFacebookといった各種SNSでの告知を見て、2ndMemoryを知って今年から読書会に参加いただけた人に集まって貰えました。皆さんのこの1年のなかでの良い思い出になっていればよいのですが・・・来年もふらっと寄れるフラットな会を目指してがんばりたいと思います。
さて「飛ぶ教室」。
ドイツの寄宿学校を舞台に、絵の上手い清貧優等生、アクション担当のボクサー、ヘヴィな過去を持つ文学少年、貴族の血を引く小柄な臆病者…この4人を核とし、寮の舎監である「正義先生(訳によっては道理先生)」や、廃棄された禁煙車を家にして住んでいる「禁煙先生(愛煙家)」といった大人との関わりを描く児童文学です。
タイトルの「飛ぶ教室」は劇中で文学少年のヨナタンが、クリスマス休暇で帰省前の学校の一大イベントであるお祭りで上演するために書き下ろした演劇の脚本(戯曲)の名前です。
タイトルだけだと「SF?」いやいや「ファンタジーでしょ」と連想した参加者さんも多かったのですが、中身は直球の「学園の日常」で、みんなふつうににケガしたりとリアル路線です。
私も過去に映画を観たぐらいで、小説に触れるのはこの読書会がきっかけでした。しかも図書館のリサイクル本で手に取ったという。。。
他の方も課題だから初読という層や、買ってて積んでた、という人も。古典名作の類になると、こういった現象起こりますよね(^^;
児童文学で、比較的薄いのですが、全十二章の中で様々なドラマが展開され、ギュッと青春のエッセンスが凝縮されたような一冊です。
ただし、男子校のため異性との色恋沙汰みたいなものもなければ、禁断のボーイズラヴみたいなものもありません。もっとも想像力をかきたてる、おっさんずラヴもありますが、そのラヴは広い意味での「愛」であり・・・まぁこの辺の解釈は人それぞれでしょう。
私はギンギンに行間を読み、後日談で臆病者だったアイツは体は小さいままだけれど、誰も逆らえない…とかはやっぱ貴種のみが持つ気品やカリスマ性とかが他者を惹き付けて、「美男子」と形容詞がつく最上級生のように「貴公子」とか呼ばれたり、劇で代役を務めた下級生を「ボクは君で、君はボクさ・・・」「お兄さま・・・」(下級生は数年を経て屈強なゲルマン男児に成長してて体格差とかごっついの)とか夢想してしまうんですが、単純に「ねーよ!」と一刀両断するものでもなく、ある種の「想像の余地」というか、読んだ子どもが自分のなかで「こうあってほしい未来」を自由に付け加えられる部分も計算されているのでは——ないか? あるか?
色々なエピソードがあるのですが、大人になった我々が読んで琴線に触れるのは、お金が無くて帰省できなくなった優等生のくだりからラストにかけての展開でしょうか。この辺にぐっときたという感想が多かったです。有形・無形と様々なクリスマスプレゼントの形はありますが、すべてを包括して超越する展開!
表紙に使われている、拉致監禁→奪還のため寄宿学校vs実業学校の代表選抜タイマンから、各々の世代の「ヤンキー」の話題にも派生しました。ビーバップ・ギナジウム。男の中の変身願望のなかに、アウトローへの憧れ的なものがあるのは認めざるを得ない部分ではありますが、私は別に不良化願望とかはないなぁ。
この小説は「クリスマス小説」でもありますが、その他の代表的なクリスマス小説の話題にもなり、まだまだ取り上げる作品に不自由しませんね。いつか森見登美彦の「太陽の塔」を課題にする日がくるかもしれないし、参加者の人たちに「そんな話は聞いたことない」とツッコミを入れられましたが、かつては緑と赤の表紙でセットでクリスマスにプレゼントするとオシャレと思われた——「ファッションとしての読書」、村上春樹の「ノルウェイの森」もやってみてもいいかな、とぼくは思った。
なにはともあれ、クリスマスを題材にした児童文学はほっこりしますね。
これからのシーズン、大人が読んでも楽しめるし、登場キャラの誰に一番惹かれるかなんかは人それぞれだと思うので、是非感想を聞かせていただけると嬉しいです。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
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★次回は1月6日(日)14時ー
1月の祝日「成人の日」をからめ、20歳の女性の魂の日記「二十歳の原点」を課題とします。
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学生運動が盛んな1969年。新年1月2日20歳を迎えた京都の大学生、高野悦子さんが、恋や勉強、友人関係なんかの悩みを赤裸々に綴った魂の日記。
2nd Memoryは「小説限定の課題読書会」という体でスタートしたため、厳密には小説ではないのですが、広い意味で捉えれば「文芸」でありますので、1月の祝日「成人の日」に絡めての選書です。
高野さんは最終的に自ら命を絶ってしまうのですが、そこに至るまで「必死に生きようとした」事が強く伝わってきます。私なんかは誕生日が1日違いという事から勝手にシンパシー感じてしまうし、この辺の誕生日の人がもつ「1年=1年」のうまく言いあらわせない感覚など彼女も持っていたのかな、と感じたり・・・多くの世代に読み継がれ、一部では「青春のバイブル」とも呼ばれているそうです。
かつて二十歳だった、あるいはこれから二十歳を迎えるすべての人に読んで貰いたい一冊です。
新年あけて間もないですが、仕事モードの前に読書会モードに切り替えるいい機会ではないでしょうか?
参加申込はこちら⇒「参加申し込みについて」
レポート作成:はじめ