梅雨で雨が降ったりやんだり、ムシムシする六月中旬。
 
下記の内容で課題図書型読書会セカンドメモリーを開催しました。ここ最近はずっと「恋は雨上がりのように」のテーマソング「フロントメモリー」聴いてます。
 
 

日時・2018年6月17日(日) 14:00ー16:00
 

課題「聖の青春」
 

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会場 アルドール はただ 高松店
 
参加者・5名(男3・女2)
 

今回も、フレンドパークの他の会ではおなじみながら、セカンドメモリーははじめてという方をお迎えしての開催でした!
 
 


 
 
故・村山聖九段の誕生日は6月15日。もしも存命であれば49歳と、いまだ棋界で「羽生世代」と呼ばれる層の先生たちがトップとして君臨していることからも、勢力分布図がかなり変わっていたでしょう。
 
 

村山九段は藤井七段の産まれる前に亡くなられており、加藤一二三九段の現役時代の長さというのも改めて考えるとすごいですね。村山聖vs藤井聡太という夢のカードも見てみたかった!

 
 
参加者の方の話題で、一番盛り上がったのは、師匠である森先生とのエピソードの数々。師弟揃って身だしなみに無頓着、師匠に少女漫画の買い出しを頼む…それでも師匠は一番弟子である村山先生の細かいところを見ており、深い愛情を感じました。
 
 

愛情という点では、病身の息子を案じてたびたび上阪するお母さんの姿…。勝手に部屋の掃除をうっとうしく思う、とかは反抗期の頃の自分と照らし合わせてよく理解できる…気もするのですが、広島ー大阪の距離考えると、もうちょっとこう……と思う事も。
 
 

本に書かれていないだけで、何かしらの言い争い的なものもあったのかも…との意見も。
 
 

師匠や家族の他にも、棋士仲間や近所の人々など周囲の協力が暖かく、病人だからというだけでなく、本人の人柄が優れていたからこそ。
 
 

将棋と馴染みの薄い参加者さんも、この本を読んで他の棋士の先生の印象もかなり好意的に変わったそうです。羽生先生なんかは、昔の寝癖の頃の印象が強かったのが、紳士に! 映画版「聖の青春」ではヒロイン枠です。村山先生がいきつけの定食屋に羽生先生を誘って食事するのは「デート」そのもの。自分の好きなものを、相手にも知ってもらいたい! デート!
 
 

入退院を繰り返し、更には癌という病魔に冒されながらもA級という10人しか座れないトップの座まで登りつめ、名人すら射程に収めた「無冠の帝王」の生涯。生きる事、について参加者の皆さんと改めて考える事ができました。
 
 
「師弟」「映画版」といったキーワードから、いま劇場公開されている宮下奈都「羊と鋼の森」の話題も。
 
 

また、開催日である6月17日は初の外国人女流棋士・カロリーナさんの誕生日。カロリーナさんの師匠もまた、森門下…つまりカロリーナさんは村山先生の姪弟子にあたるわけですね。
 
 

すすめ、カロリーナ!
 
 

村山先生の弟弟子、山崎先生が生放送中に…
 
 

本に収録されている棋譜なんかを並べても村山先生には会えるのですが、多くの人々の暖かみを知れるこの小説。
 
 

かつて「いま行かないと谷川には勝てんのじゃあ!」と村山先生がプロを志したように「藤井聡太を倒すんだ!」と意気込む少年少女や、ルールを知らない子ども含めてすべての人に読んで欲しい1冊です。
 
 

きっと将棋というゲームが続いていく限り、手に取られるような作品だと思います。サッカーがワールドカップで盛り上がるように、国境を越えて海の外の人とも81マスの海で対局できるような世が来るのを願って(…ネットの海ではけっこう外国人いるみたいですけど…)。
 
 

参加いただいた皆様、ありがとうございました!
 
 

ハードカバー版は漢字のふりがな多め。今年の読書感想文はこれで決まり!


 
 

将棋ということで西洋の将棋=チェスTシャツ。
新手一生・升田幸三先生が将棋の持ち駒は捕虜虐待だろとGHQに言われた際、チェスを引き合いに出して完全論破!


 
 

っと、海ということで次回予告の前の、予告。
 
 

海の日の前日、7月15日(日)サンポート高松 テント広場にて開催される海のみえる一箱古本市に今年も読書会と同じ「2nd Memory」の屋号で出店します!

色々と本好きな人、遊びに来てくれると嬉しいです!
 
 

その一週間後は、大きい会場押さえているので、定員も多めに募集します。という事で次回予告。

 
 
 
 

★次回は7月22日(日) 夏の小説! という事で、湘南の夏を舞台に、せつない殺人者を描く貴志祐介の「青の炎」を課題とします。棋士の後は貴志ってか?

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母と妹と3人で暮らす、優等生・秀一。

平和だった家庭に、かつての母の再婚相手・曽根が転がり込んで来て、居座る事に。

横暴なその態度、ついに怒りが臨界に達した秀一は、密かに曽根を排除する「完全犯罪」の計画を練ってゆく…。

動機は「家族への愛」。せつない17歳の犯人目線で描かれる倒叙ミステリの傑作。嵐の二宮和也主演で映画化もされており、更にはちょうど2018夏のカドフェスにも選ばれているロングセラーでもあるので、手に入り易いと思いますよ。

参加申込はこちら⇒「参加申し込みについて」

レポート作成:はじめ