春一番が吹き荒れたと思えば、ぽかぽか陽気の小春日和の3月初旬。
 
お隣、岡山県にて岡山日販会主催、岡山市、岡山市文学賞運営委員会、岡山市立中央図書館の共催にてビブリオバトル大会が開催されました。
 
バトラーとして参加した、前大会の雪辱を晴らすべく、リベンジしてきたレポートです。
 

いつもと違う、人・場所・本ーー知を求めて遊読する三千世界。

 

3rd Nomado(サード・ノマド)♯12

 

日時:平成30年3月10日(土) 10:30—12:00 中高生の部 14:00ー15:30 一般の部

 

場所:岡山市立中央図書館

 

 

第3回目となる、岡山大会!

 

今回も早々にエントリーし、バトラーとしての出場権を得ました。

 

今回は中高生が9人(男3女6)、一般の部が7人(男3女4)と定員7人の枠いっぱい!
 
中高生の部はエントリーされた方全員が参戦権を得て、一般の部は何人かの方は篩にかけられたらしく、人気イベントに育ってきた感じですね。
 
特に中高生の部は第1回大会が1人、第2回が4人(男1女3)だった事を考えるとすごい成長率ではないでしょうか。女性バトラーの参加が多くなってきた印象で、華やいできましたね。
 
では、プレゼンされた本を軽く紹介、中高生の部から。
 
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ほとんどのバトラーが制服で参戦のなかで唯一の私服ーーそれもそのはず、つい先日卒業された高3。
 
無事に春の進路も決まっている中、受験してた頃も他所のビブリオバトルでこの本を紹介してきたという歴戦の猛者。三宅香帆さんによる様々な名著ぶった切りが楽しい一冊との事。
 
進路に支障与えてたら人生狂わされていたかもしれないけれど、本が好きすぎて多くの人に知らせたいという一念でビブリオバトルに参加するというのは、確かに人生の変わる読書体験ですね。
 
来年、一般の部で対戦したい。
 
[amazonjs asin=”406148723X” locale=”JP” title=”泣いちゃいそうだよ (講談社青い鳥文庫)”]
 
唯一の中学生バトラー! 普段は東大生が奨める本なんかを図書館で借りているようだけれど、おすすめ本! というテーマから、自分が好きな「泣いちゃいそうだよ」シリーズで参戦! 等身大な中学生の部活、クラスといった人間関係の悩み。。。
 
本当にこのシリーズが好きだというハートを強く感じました。朝早いせいか、観客に歳の近い人が少なかったけれど、たぶん同じ年代の人が多い学校内のビブリオバトルなんかだと票集めそう。
 
[amazonjs asin=”4652078145″ locale=”JP” title=”日本という国 (よりみちパン!セ)”]
 
歴史が苦手だというバトラーさんですが、学校の先生に読んでこいと宿題で渡され、適当に読んだ事にしてしまおう…と思いつつ目を通すと、一気に眠れずに読破したという一冊。こういった読書体験、ありますよね。学校の取り組みでビブリオバトルがあるみたい。いいなぁ。
 
[amazonjs asin=”4751528688″ locale=”JP” title=”そして、ぼくは旅に出た。: はじまりの森 ノースウッズ”]
 
母親が買ってくれた本。1年近く積んで、ふと読み始めると止まらなかったそう。写真家を目指す若者の異国のカヤック旅のドキュメンタリー。
 
冒険家って椎名誠ぐらいしか知らない私には目には鱗。きっと親子で会話が弾んだでしょうね。
 
[amazonjs asin=”476313115X” locale=”JP” title=”「また、必ず会おう」と誰もが言った。”]
 
東京から残金3000円で熊本に帰ろうとする高校生の青春小説。バトラー自身の青春、管楽器をからめたプレゼン。管楽器ちうから、てっきり吹奏楽かと思ったら、なんとジャズバンド、渋い、すごい、かっこいい!
 
ビブリオバトルでは、レジュメやスライドといった道具の使用は禁じられているので、当然楽器も使えませんが、いつか演奏を聞いてみたい。
 
[amazonjs asin=”4344030222″ locale=”JP” title=”受験合格は暗記が10割”]
 
そうだよねぇ、高校生にとってはファッションや恋愛と同じく重要なもの、それが学力。暗記が10割との強烈なタイトルとともに、多くの学習ノウハウ本を読んで来たバトラーが全力で推す、暗記テクニックが記された禁断の1冊。質問で最近の学習は応用力も重要では? と問われても、応用力を使うためには基礎の丸暗記が必要と押し切り、私も「それを言われちゃあ、降参ですわ」と票を投じ、見事チャンプに。
 
チャンプ本は岡山市民が選ぶオススメの一冊として、図書館や書店でプッシュされるので、岡山の高校生たちのバイブルの誕生?
 
[amazonjs asin=”4062769816″ locale=”JP” title=”浜村渚の計算ノート (講談社文庫)”]
 
香川県高校生大会でも紹介された本。ティーンに人気あるんでしょうか?
 
紹介してくれたバトラーは理科系の高校生だったけれど、謙遜かそれほど学業としての数学は得意ではないと言いつつ、作中で紹介される0で割ってはいけない、四色問題とかは好きと語る。
 
そう、好き=得意じゃなくてもいい! 自由とはそういうことだ!(でも、たぶん謙遜してるだけで、それなりに得意なんだと思うけど)
 
[amazonjs asin=”B015C511L4″ locale=”JP” title=”死刑執行人サンソン――国王ルイ十六世の首を刎ねた男 (集英社新書)”]
 
どっちに票入れるか悩んだ本。ギロチンを開発した、実在の処刑人についての新書。女子高生が紹介するギャップにも惹かれましたが、質問時に飛び出た誰もが思う疑問「どこでその本を知った?」で「ジョジョの荒木先生の推薦図書、書店にないから取り寄せてもらって買った」でズッキューーン! 
 
ここでジョジョ立ちしてくれたら、間違いなくこっちに票を投じていた。勝負とは紙一重だ。
 
[amazonjs asin=”4413090020″ locale=”JP” title=”自分をどう愛するか―「生活編」幸せの求め方 (青春文庫)”]
 
遠藤周作先生の熱い文章を読み、自分のなかで消化した想いを昇華させた弁舌さわやかなプレゼン。
 
とても落ち着いた、貫禄のある声でした。
 
続いて、一般の部。
 
[amazonjs asin=”4150311927″ locale=”JP” title=”怨讐星域Ⅰ ノアズ・アーク (ハヤカワ文庫JA)”]
 
私の紹介本。リベンジ! チャンプにはなれなかったが、トップ(バッター)にはなれた。梶尾真治の連作SF短編。実はこの1巻では桃太郎が重要な役目を果たす。私はこの本を一箱古本市で1巻だけ200円で売りに出し、売れたら帰りに新品で買う。
 
[amazonjs asin=”4488018203″ locale=”JP” title=”翼を持つ少女 BISビブリオバトル部”]
 
ビブリオバトルに、ビブリオバトル小説をもってくるセンス! 私も時々思う、自分が学生の頃にビブリオバトルがあったら良かったのに! という熱い想いを語ってくれました。 でも残念、私は既読。。。
 
このシリーズ、4巻まで出てて、思春期の恋模様とかちょっとキュンキュンしますよ。
 
[amazonjs asin=”4036518801″ locale=”JP” title=”二分間の冒険 (偕成社文庫)”]
 
小学校の先生であるバトラーが、「あの本のタイトルなんだったけ」と幼い頃に読んだ1冊と20ン年ぶりに再会。岡田淳さんって児童文学の大家らしいですね。私も小学3年の頃、宮脇新舘の1階、いまはお弁当とかの本置いてあるあたりで平積みされてたのを買ってもらった思い出が脳裏に甘い春風堂の香りとともによみがえりました。いってはならないことばをいった! 既読ながら読み返したいと思った。
 
[amazonjs asin=”4592883012″ locale=”JP” title=”銀の三角 (白泉社文庫)”]
 
大学生による紹介。若者が萩尾望都をどこで知ったか気になる所ですが、中学時代にどっぷりとハマったそう。嘆美な絵柄なれど、漫画が掲載されていたのはSFマガジン。男性にこそオススメと語られ、私は票を投じました。
 
[amazonjs asin=”4334768806″ locale=”JP” title=”舟を編む (光文社文庫)”]
 
ご年配のバトラーが紹介。最近話題になった、辞書の改訂にあわせて紹介されていたこの本を読み、感動した思いを語ってくれました。娘さんに「この本面白いよ」と奨めるも「有名な本で、映画化もされているよ」と言われ、映画も手に取るが、やっぱり小説の方が面白いという感想だそうです。
 
私も既読で、私がはじめさんなだけに、まじめくんにちょっとシンパシーを感じます。綺麗な板前の奥さんはいませんが。。。
 
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昨今の将棋ブームにからめ、囲碁将棋部で部長を務める学生がプレゼン。100人の言葉ではなく、人によっては2つ3つ紹介されてるそう。私も指す将ですが、あまり棋士の言葉とかに何かを感じるってことは少ないかなぁ。地元倉敷出身の大山名人の言葉もあるのか、といった点や今泉先生のエピソードを紹介する時に、お隣福山の出である事なんかをアピールしておけば、もう少し良かったかもしれない。
 
[amazonjs asin=”4492046178″ locale=”JP” title=”SHOE DOG(シュードッグ)”]
 
最後にすべてをもっていった、チャンプ本。
世界屈指のスポーツメーカー、ナイキ創業者のエピソード。集う社員は、スポーツメーカーのくせにメタボだったり、負け犬と呼ばれるような人たちだが、仕事に関しては嗅覚鋭い。
 
営業職の方なのでしょうか? かなり面白いプレゼンでNIKE(勝利の女神)が微笑む結果に。
 
私も1300円くらいなら買おうと思ったけど、高い。廉価版出るのを待ちます。
 
 
 
全体を通してみて、観客としてもバトラーとしても楽しめた1日でした。
 
 
来年も再来年も続いていって、やがてはバトラーに選ばれるだけでプラチナチケット、会場に観客収容できなくなるぐらいの、岡山のブックシーンを代表する春のイベントに育っていって欲しいですね。
 
チャンプ本獲るまでは勝手に「無冠の帝王」を名乗ってチャレンジし続けたい!
 
 

ビブリオバトル公式Tシャツで臨みました! 今回の参加賞は、図書館2千円分。中高生の皆は、これで欲しい本買えるね。やったね!


次こそは勝ちたい。。。

レポート作成:はじめ