日本列島に冬並の寒波到来。紅葉がまだなのに粉雪すら舞っていた日曜の昼下がり、

 

下記の要項で課題図書型読書会2nd Memoryが開催されました。気分はホワイト・クリスマス! ツリーも喜ぶ育樹祭!
 
そしてまた、スーパーの総菜売り場でも、クリスマスに向けての調理練習か、レッグチキンが並ぶ日も。
 
課題図書:「クリスマス・キャロル」
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会  場:珈琲哲学 高松店 14時ー16時
 
参 加 者:5名(男3・女2)スタッフ含む

 
今回も初参加、しかも四国外の方をお迎えしての開催でした。個人的な事でアレなんですが、今年は意識して他の土地の読書会や読書イベントに足を運んだ年でした。そこで知り合った方に遊びに来ていただけて、大変嬉しいです。
 
さて、課題としたのはクリスマス小説の鉄板、ディケンズの「クリスマス・キャロル」です。
 
金にうるさい嫌われ者の老人スクルージが、クリスマスの夜に体験した、自らの過去・現在・未来の旅。目覚めて改心すれば、金の亡者から人々を笑顔にする篤志家に華麗なる転身。これからの季節にぴったりの1冊です。
 
 
作品を通しての意見として、
 
【話全体】話が出来過ぎではないか。出来過ぎのきらいはあるが、夢の中で改心して夜があけると冷たくなっているようなイヤなオチではないのが良い。出来過ぎとは思わない、人間は「人の核」に踏み込むと180度変わるのを描いている。
 
クリスマスを通して人間の温かさを描いている。
 
初読と思っていたら、子どもの頃に読んでいた。もしも過去の映像や、自分のいない所で知人が自分を話題にしている場面を見られるとしたら、どうするだろう?
 
【スクルージ】英語圏のでのケチの代名詞はスクルージとシャイロック(ヴェニスの商人)、改心するだけスクルージがマシ。
 
金持ちだから、美味しいものを食べてかっぷくのいい印象だったけれど、挿絵付の本を見てみると痩せぎす。吝嗇だから、食べ物も最低限のものだけ摂取しているのでは。
 
過去・現在の旅では若い頃を懐かしんだり、誰にも見えていないけど甥の家でのクリスマスパーティーを楽しんだりと、根は悪くはない。 
 
拝金主義的な最近の世の中、人間みんなが悪いスクルージのようになってきている? SNSなどで四六時中誰かの目を気にし、改心した良いスクルージが到達した「笑いたければ笑え、自分は自分」というのはなかなか難しい。
 
他にも、篤志家へと変貌した事から、身近なお寺さんでの回向やボランティア、西洋と日本での価値観の違いにも話題は派生し、作中で描かれるような家族団らんがクリスマスのあるべき姿で、日本のイベント化しているものは。。。 や、賛美歌を奏でながら歩く東京のミッション系の幼稚園から、東野圭吾「容疑者Xの献身」のワンシーンについてなど、クリスマスから連想される様々なおしゃべりを楽しみました。
 
ディケンズ作品で100年後も読まれているであろう作品は、自伝的作品である「ディヴィッド・カッパーフィールド」とこの「クリスマス・キャロル」と言われているそうです。
 
書店のディケンズの並んでいる棚で、このクリスマス・キャロルだけは薄くてとっつきやすい事もあり、これからのクリスマスシーズンに読んでみてはいかがでしょうか?
 
 
飛躍の年たる酉年の2ndMemoryも、これにて終了。20回の節目を迎えられました。
 
それもこれも、私の独断と偏見の選書を読んで参加していただける皆様のお陰です。
 
自分の未来のことはあんまりわかりませんが、本を読まない未来は考えられないーー8年後、100回、100作品読んだ読書会を目指して頑張ります。
 
今回参加していただいた皆様ならびに、今年参加していただいた皆様、ブログをご覧の皆様によいクリスマスが訪れますように! 

 

光文社・新潮社・箱入り・漫画版と様々。
新潮社文庫表紙の少年について、「若き日のスクルージ」と「ティム坊や」と意見が分かれました。あなたの見解は? 贈り物に最適の1冊!


 
 
 

お土産に広島銘菓・生もみじを貰いました。
帰宅後、おいしくいただきました(^p^)


 
 
 

会場でお世話になっている珈琲哲學さまのケーキとクリスマスプレート。
おいしそうですね(^p^)
私はクリスマスの夜は平安時代の物忌みのように戸締まりして静かに過ごすのですが(世帯向け賃貸なので、小さなお子さんいる両隣でパーティはじまったりするんですが・・・)
昼間は空いています。まあ、誘う相手も誘ってくれる相手もおらんのだけどね。皆でカバーかけた文庫本回してプレゼント交換・・・小学生のクリスマス会か!


 
 
 
 
★次回は年明けて 1月21日(日)、来年は戌年ということもあり、犬が主人公であるロンドン「野性の呼び声」を取り上げます。(訳者によって「荒野の呼び声」というタイトルにもなりますが、好きなものをお持ちください)
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名士の愛犬として何不自由なく暮らしていた大型犬。
 
屋敷の使用人に売り飛ばされ、たどり着いた凍てつく北の大地。
 
サンタのソリを牽くのはトナカイだけれど、人間のソリを牽くのは犬たちの混成即席チーム。
 
華形であるセンターポジションをめぐって勃発する犬たちの流血をともなうガチのマウンティング。
 
人間に裏切られるも、また友と呼べる人間と出会い、そして耳にこだますのは「原始」からの呼び声。目覚めよ、野性のDNA!
 
冬の肌寒さを作品世界にシンクロさせながら、傑作動物小説を楽しみましょう。犬派の人には超オススメ!

 
 
 
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レポート作成:はじめ