夏に戻ったかのような暑い日があったと思えば、雨が続き、しまいにゃ台風発生。気圧の影響か、腰をはじめ色んな所がみしみしと痛みます。魔女が調合した、秘伝の湿布が欲しいーーなんて10月折り返しの日曜日、下記の要項で課題図書型読書会2nd Memoryが開催されました。

課題図書:「西の魔女が死んだ」
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会  場:本屋ルヌガンガ 10時ー12時
参 加 者:6名(男2・女4)スタッフ含む

満席御礼!

今回は、夏にオープンした高松市中心部の新刊書店、本屋ルヌガンガさんのテーブルをお借りしての開催でした!

周りを本に囲まれての読書会!

ドライフラワーや高松市ではここでしか買えない、ドイツの伝統焼き菓子など、主人公の少女、まいが魔女修行するおばあちゃんの家のような落ちついた雰囲気最高です。

また、県外から初参加の方をお迎えしての開催でもあり、遠方かつ早朝からのご参加大変嬉しいです。郊外をメイン会場に開催してきましたが、交通の便を考えて市内中心部の開催というのも、また来年からの検討事項ですかね。

さて課題本は、10月末のイベント、ハロウィンから「魔女」のキーワードを抜き出しての選書でした。

参加者では再読2人初読4人と初読層が多く「西の魔女が死んだ」というタイトルに「死」が入っている事から、怖い話・ファンタジー・暗い印象・これを読めば魔女の真実が… というイメージで読み始めた方も多かった模様。

私は20代の頃にはじめて読んだのですが、一行目、読者になんの情報も提示せずにはじまる「西の魔女が死んだ」というフレーズに「メロスは激怒した」と同じインパクトを受けました。

登場人物の誰に共感するかの話題となれば、誰もが経験してきた思春期の化身たる主人公「まい」ちゃんへの指摘が多かったです。私は男ですけど、一匹狼のように強くもなれないし、かといって羊の群れのなかに入れるほどでもないという点では強くシンパシーを感じます。

作品に登場する女性像(まい・母・おばあちゃん)すべての立場になれる人、同じくらいの年頃の娘さんがいて親目線になれる人、まいちゃんぐらいの歳に読み、大人になったいまの立場で読み返せる人、誰にも感情移入はせず終始リラックスして読めた、様々な作品との向き合い方が述べられました。

作品自体は平成6年発表と、けっこう前の作品なのですが、古さを感じさせない・古いようで新しいーー逆に言えば昔も今も、思春期の子どもの悩みというものは変わらないものなのでは。クラスの他にSNSでの立ち居振る舞いに気を使う現代っ子、特にまいのように感受性の強いタイプにとっては生き辛い世の中といった意見も。

ちなみにこの作品、新潮社文庫の21世紀発行部数「2位」の作品のようです。ここ17年の事とはいえ、地味にすごいですよね。夏の新潮文庫フェアの横綱というか、誰もが「読んだ事は無いけどタイトル知ってる」作品とも呼べますね。ワンコインで買える値段ですし、悩める子どもらにこそ読んで欲しいというか、主人公と年齢が近ければ近いほど感じられる点も多いのではないでしょうか。私もできるなら、それぐらいの時期に読みたかった。。。

もしも、ハロウィンに絡んだ子ども会でビンゴ大会やプレゼント交換会があるなら、景品の中に紛れ込ませたい1冊ですね。薄くて文字も大きいので、とっつきやすいかと。

もちろん、大人にはこれまでの人生経験と照らし合わせ、かつての自分と向き合うきっかけにもなりますのでオススメですよ。梨木香歩さんの代表作なので、非常に手に入り易いというのもポイントです。私は自分で課題に選書しといてナンですがどっかに紛失、ダッシュツダイセイコウ、西の魔女が消えた! してしまったのですが、難なく再購入。いつでも買い直せるというアドバンテージから、どんどん人にプレゼントできますね。秋の夜長のおともに1冊いかがでしょうか?

足下が悪いなかご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました!

緑の表紙、梨木香歩作品集・西の魔女が死んだ は今年の4月に刊行。なんと最初の発表から20数年ぶりに、おばあちゃん目線での書き下ろし短編が収録されています。装丁もしっかりしていますし、プレゼントに適しているんじゃないでしょうか。ルヌガンガさんではギフト用のラッピングもしてくれますよ。

読書会のお伴はたいていブラックコーヒーノ私ですが、今回は西(英国)の魔女に敬意を表し、紅茶。ジャッコーランタンを彷彿とさせるかぼちゃのクッキーを添えて。アルコールメニューもあり、飲み物片手に本を選んだり、椅子に座って読めたりするのがルヌガンガさんの魅力ですよね(^^

店内に飾られているグリーンも購入できます。
梨木香歩作品には、草花が登場するものが多く、想像の助けとなりました。

★次回は11月19日(日)冬の時期の鉄板、ディケンズの名作短編「クリスマス・キャロル」を取り上げます。

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クリスマスを指折り数えるある夜、吝嗇家の老人、スクルージの元を訪れる「過去」「現在」「未来」からやってきた亡霊たち。彼らの姿を見てスクルージに起こる変化とは。
街がクリスマスムードになりはじめる11月後半、長編はとっつきにくいという人へのディケンズ先生からのクリスマス・プレゼントを一緒に楽しみましょう。
※青空文庫で無料で読めますし、様々な版元、翻訳家のものがありますが、気に入ったものをお持ち下さい。

参加申込はこちら⇒「参加申し込みについて」

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