梅雨入りしましたが、雨のない6月。半袖がちょうどいい気候のもと、課題図書型読書会2nd Memory(セカンド・メモリー)が下記の内容で開催されました。・・・農作物のためには、そろそろ一雨欲しいのですが。。。

課題図書:「本日は、お日柄もよく」

[amazonjs asin=”4198937060″ locale=”JP” title=”本日は、お日柄もよく (徳間文庫)”]
会  場:珈琲哲学高松店 14時ー16時
参 加 者:5名(男4・女1)スタッフ含む

 

今回は初参加の方を2名お迎えしての開催でした!

片思いの相手の結婚式で出会った、伝説のスピーチライター・久遠久美に師事。選挙戦という嵐の大海に言葉というオールを操り漕ぎ出した、OL→新米スピーチライター二ノ宮こと葉の物語。

都会の片隅で、恋に仕事とキラキラ自分磨きをする女子を描く、いわゆる「お仕事小説」ですね。

 

 

こと葉が選挙戦を支援する幼なじみの名前は厚志。あっくん。

昨日、ちょうどAKB総選挙があったせいか、あっちゃん(前田敦子)の伝説のスピーチが思い出されますね。ああいうのも裏にスピーチライターがついていたりするんでしょうか?

ちなみに、「本日は、お日柄もよく」の冒頭にはスピーチ十ヶ条というのが掲載されておりまして、この十番目が意外と簡単そうで難しい。

 

主人公のこと葉も、スピーチライターとしてデビューした親友・千華の結婚式でこの十番目を守り切れなかった。それを言ってしまえば、花嫁から両親への手紙とかもう・・・ね?(様式美というか、そういうものとして、式の型に組み込まれている感もありますが)

 

 

さっ、気を取り直して!

 

 

参加者の方から出た作品への意見として、

・スピーチは自身も行う機会が多いので、作中で紹介されるテクニックは実践できそうなものもある。

・結婚式のスピーチという身近な話題で読み始めたが、選挙となると遠い話題に感じた。

・選挙、政治のネタはややご都合展開のきらいもある。

・こと葉のセンスは俳壇の重鎮である祖母の血を引いているのも大きいのでは。

・途中でこと葉は退職するが、せめて前の仕事きりのいい所までやってから退職するべきでは。

・作品の発表時期(2010年)から、最近の原田マハ作品を比べると、言葉の選び方、ストーリーテーリングなど脈幕と受け継がれてきているものを感じられると同時に、歳を重ねるごとに上手くなってきている。

・主人公こと葉目線の一人称、どこにでもいる「ふつうの女の子」のサクセスストーリーだが、考えている事がバカっぽい感じもする。主人公のすごさがあまり伝わらない。うまくまとめた感。

・「死」を経験しているキャラクターたち。経験しているからこその言葉の厚み、重みもあるが、少し殺しすぎな気も。

・敵陣営でライバルとして戦う広告代理店のエース・ワダカマと、こと葉の「ラスト」が納得いかない。師匠と同じ仕事一本槍の道を歩んで欲しいという意見や、別の人物と●●して欲しかったという意見など。(※実写版だとワダカマこと、わだ・かまたりーー和田日間足は速水もこみちが演じています。変わった名前どうしですね)

・オススメを問われて、誰にでも紹介できそうな小説。スピーチするような人にはぴったり。

 

話の本筋から伸びた枝葉として、

・いまでは全国区である「うどん県」というパワーワードもまた、代理店などのブレーンが言葉を操った成果。

・瀬戸内国際芸術祭などで台湾を筆頭にアジア圏では「SETOUCHI」は一種のブランドとして認知されている。

・聴衆が聞く気ない場面でのスピーチで鍛えられるメンタル。

・スピーチ=喋りという場面で、「お笑い芸人」が重宝される。

・仕事でのプレゼンでも喋りがすべて。

・日常の仕事ではっきりと「無理です」と断りづらい場面も多い。Yes we can! 君ならできる、みんなでやろう! となっても無理なものは無理。

・歴代米国大統領でも優秀なスピーカーだったからと言って、優れた政治家だったかというと。。。

・デキる女に師事ーープラダを着た悪魔にも通じる。

・選挙活動中は関係者みんな、なんかハイになっている。

・作中で話題になる後期高齢者医療制度。昨今の医療事情での予防の重要性など。

 

 

2時間という枠のなかで、たくさんの「言葉」が述べられました。

個人的にはこと葉とワダカマの関係は、読んでて

 

「えー、えー、えー、あぁ、でも伏線あったと言えばあったか、うーん、二つの選択を突きつけられたとき、一つを捨てて一つを選ぶというのがあって、こと葉にとっては会社よりもあっくんなわけで、ワダカマはワダカマで人道と仕事(会社)を天秤にかけた結果があれで、そりゃ女としてはキュンとなってしまうのかもしれないけど、あー、でもラストの時間軸までオギャアと産まれてもいなかった子どもが3歳になった年月も考慮すればあるべくしてあった未来なのかもしれないけど、うーん出来過ぎ? チェンジはチャンスで、最初に二流とディスられまくっていたホテルも一流にチェンジできたっぽいのでオーライ? でもこと葉、結果的に自立と言いながらも結婚相手代理店って、それってどうなの。絶対仕事両立といいながらセーブする、あー、何フィクションに熱くなってんだろ」

 

と、多くの人とそのちょっとうまく言葉にできないモヤモヤ感を共有できたのが大きな収穫でした。

 

 

暑い中ご参加の皆様、どうもありがとうございました!

全体写真を撮り忘れた・・・。

「総理の夫」で、本邦初となる女性総理大臣をバックアップする広報チームの一員に、伝説のスピーチライター、久遠久美も名を連ねる(付箋箇所で明記される)。同じチームの広告賞総嘗めはワダカマでアカデミー賞外国語部門のプロデューサーは「キネマの神様」から? 意外な所でスピーチ十ヶ条の十番目が活きてくる。

[amazonjs asin=”4408553182″ locale=”JP” title=”総理の夫 First Gentleman (実業之日本社文庫)”]

[amazonjs asin=”4167801337″ locale=”JP” title=”キネマの神様 (文春文庫)”]

結婚式のイメージから紅白ポロシャツ。

五郎丸トリビュートで買ったが、ガタイが追いつかず眼鏡のため、

人は私をウォーリーと呼ぶ。男は燃え尽きるその日までウォーリア(戦士)じゃないと。

先月は「母の日」でしたが、今日は「父の日」です。早明浦の酒水制限を取っ払うプレゼント。きっとえびす顔になってくれるでしょう。

五郎丸からラガーでも良かったけど、まぁ本日はお日柄も・・・おっと仏滅だった。

 

伊賀者は、この決闘手段を単に「川」と呼んだ。必ず一人が死に、二本の線と死骸とで地面に川の字ができあがるからだという。

次回は3連休の真ん中、7月16日(日)に和田竜「忍びの国」を取り上げます。

[amazonjs asin=”4101349770″ locale=”JP” title=”忍びの国 (新潮文庫)”]

本屋大賞受賞作家でもある和田竜の忍者活劇。

戦国の覇者・織田信長の息子、織田信雄が父の威光を背に、忍びの国・伊賀へと攻め込んで来た。

織田軍と相対するのは、人を人とも思わぬ伊賀の忍びども。金のためなら同胞すら涼しい顔で殺戮。

武士(もののふ)と忍び(もののけ)の戦いーー天正伊賀の乱。

7月1日より、嵐の大野智主演で映画化される事もあり、どこの書店でも平積み展開されております。

全12章で文字も大きめ、ラストのアタックチャンスーー解説には読書家で知られた児玉清氏。

映画を観てから小説を読むもよし、小説を読んでから映画を観るもよし、ついでに読書会に参加するもよし。

次回は実験的に10人入れる会場を押さえておりますので、はじめましての方も一緒に今夏注目のエンターテイメント作品を楽しみましょう!

ちょっと入ってみたかったというのもある。。。

 

参加申込はこちら⇒「参加申し込みについて」

レポート作成:はじめ