夏日の続く、5月中旬。生誕150周年、近々の読書会で2回ほど夏目漱石作品に触れた事も呼び水となり、お隣愛媛県松山市の読書会に遊びに行ってきました! 夏日と夏目、似てるけど違いますね。

 

いつもと違う、人・場所・本ーー知を求めて遊読する三千世界。

3rd Nomado(サード・ノマド)♯7

時:2017年5月20日(土) 18時00分〜20時00分
場所:愛媛県松山市の飲食店
課題:「ハイ・ライズ」

 

[amazonjs asin=”4488629156″ locale=”JP” title=”ハイ・ライズ (創元SF文庫)”]

ロンドン中心部に聳える,知的専門職の人々が暮らす新築の40階建の巨大住宅。1000戸2000人を擁しマーケット,プール,体育施設から銀行,小学校まで備えたこの1個の世界は10階までの下層部,35階までの中層部,そして最上流とされる40階までに区分されている。その全室が入居済みとなったある夜に起こった停電をきっかけに,建物全体を不穏な空気が支配しはじめた。3か月間にわたる異常状況を,中層の医師,下層のTVプロデューサー,最上階に住むこのマンションの設計家が交互に語る。中期の傑作。

内容(「BOOK」データベースより)

 

今回参加したのは、松山市で活動されている
心が旅する読書会様。

 

諸般の事情で2nd Memory「虞美人草」読書会が第三日曜日である5月21日から、5月14日開催に決定したのが3月の事。
時間空いたし、5月の連休に外出するの控えてどっかで読書会やってたら遊びに行ってみようとネットで読書会検索をかけていると翻訳シンジケート大賞様のサイト経由で
ヒットしました。

 

 

 

課題図書のあらすじをざっとネットで見て「面白そう」と思ったので、4月頭に残席1に滑り込み、参加申し込みをしてから本を購入し、読み始めました。

 

 

 

昨年映画化された事もあり、いまはすごく入手しやすいです。ネット動画で映画版の予告編とかも見れます。

 

 

 

普段海外翻訳ミステリーは手に取らないタイプですし、フレンドパーク定例会でもあまり紹介されるジャンルではありませんよね。。。普段手に取らないジャンルだからこそ、刺激も大きい。

 

 

 

「ハイ・ライズ」は1970年代に書かれた、1000戸を誇る40階建て高層マンションで繰り広げられる上・中・下と階層で三つに別れた住民らの抗争を描くSFミステリ。いまではタワーマンションなんて珍しくもないため、SF設定もかすみ、ひとつの「社会派ミステリ」として読めます。

 

 

 

課題図書の読書会の楽しみとして、知らない本を読書会を「きっかけ」としてはじめて読むという体験があります。
その機会がなければ、きっと手に取らなかったであろう作品。
「ハイ・ライズ」も物語早々から「おっと、こいつはヤバい予感がするぜぇ」というバイオレンスな描写からのスタート。
私はどことなくローグ系ゲームのような感想を持ちました。直接的な描写はされてないけど○○食べてたりね。経験をつみ、たどり着いた屋上で待つのは・・・!

 

 

 

 

会場に着いてはじまるまでは、私にとっては全員が初対面という事もあり、緊張していましたが、じょじょにリラックスでき、会終了後の懇親会は非常に楽しかったです。
どんな複雑な回転がかかった話のネタというボールも、無回転トスで自分の前に戻って来る感覚というか。
面白いと感じたのは、意外なところで話が課題図書であった「ハイ・ライズ」に繋がるところ。読書会で複数の読者の視点で作品を楽しんだ後に、懇親会でまったく別ジャンルからの切り口で作品に再度向き合える。これは新たな発見ですね。

 

 

いち参加者、そして初参加という事からくる「不安」と「期待」。
久しく忘れていた感覚を呼び起こされたのは、よい経験でした。
知らない人の所に行くというのは、確かにおっかない。けれど、いざ行ってしまえば「本が好き」という共通項があるだけで、いかようにも会話できる。

 

身近に本の話ができる人がいなくても、世の中にはまだまだ沢山本を読んでいる人がいることの再発見。
「2nd Memory」もまた、初参加の人の不安を少なくし、期待を高める会にしなければと実感。

 

非常に実りのある会でした。また機会ありましたらお邪魔したいと思います。

 

環太平洋ならぬ環瀬戸内海文化圏の環!(瀬戸内海って地味に九州・中国・四国・関西カバーしてますよね。。。)

 

レポート作成:はじめ

道後温泉に浸かりました。
漱石先生とは違う時間を生きていますが、百数十年前と同じ空の下にいる。

漱石はじめ、明治文学で言うところの「停車場(ステーション)」。
田中麗奈の映画版「がんばっていきまっしょい!」や、「世界の中心で愛を叫ぶ」を思い出しますね。

主催の方がオススメしてくれた鍋焼きうどんの名店・アサヒ。
読書会会場のすぐ前でした。

あっつあつで、さましながら食べましたが、甘くて美味しかったです。どことなく讃岐うどんでいう「肉うどん」に近い甘さ。

アメリカなんかだと、1ブロックごとにあるという、市民持ち寄りの一箱図書館。いいなぁ。

 

そういえば、漱石先生も「ハイ・ライズ」の舞台となった「ロンドン」にいらっしゃったんですよね。